2004 Fiscal Year Annual Research Report
光周的花芽誘導に関連した遺伝子のウキクサホモログの単離と発現解析
Project/Area Number |
03J00948
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三輪 久美子 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 光周的花芽誘導 / 概日時計 / ウキクサ / パーティクルガン / 発光測定 |
Research Abstract |
本研究ではウキクサを用いて、光周的花芽誘導の分子生物学的な解析を行っている。ウキクサからシロイヌナズナで概日時計や光周性、花芽形成に関わる遺伝子のホモログを単離し、概日時計が光周性にどのように働くのか知ることを目指している。光周性には概日時計が非常に重要なので今年度は概日時計に着目し、以下について研究を行った。 1.シロイヌナズナの概日時計の中心振動体で働くCCA1遺伝子のプロモーターにホタルのルシフェラーゼ遺伝子をつないだコンストラクトをパーティクルガンによってウキクサに導入し発光測定を行って、概日リズムを検出することができた。この方法によりさまざまな日長条件で概日リズムを調べ、光周性との関わりや長日植物と短日植物の違いを解析したいと考えている。 2.1のコンストラクトとウキクサのLHYホモログ遺伝子に35Sをつないで過剰発現させたコンストラクトをまぜてパーティクルガンを行い、発光測定を行ったところ、CCA1の概日リズムの振幅が下がった。このことからウキクサのLHY遺伝子ホモログが概日時計に機能を持つことが示された。 3.1のコンストラクトとウキクサのELF3ホモログ遺伝子をRNAiによって発現量を低下させたコンストラクトをまぜてパーティクルガンを行い、発光測定を行ったところ、CCA1の概日リズムがなくなった。このことからウキクサのELF3遺伝子ホモログが概日時計に機能を持つことが示された。 4.アグロバクテリウムにウキクサのFTホモログ遺伝子に35Sをつないで過剰発現させたコンストラクトを形質転換し、これを長日植物のウキクサL.gibba G3にまぜて長日条件で培養したところベクターを形質転換したアグロバクテリウムとまぜて培養した場合に比べ、花成の促進が見られた。このことからウキクサのFTホモログ遺伝子が花成を促進する機能を持つことが示された。
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