2004 Fiscal Year Annual Research Report
線虫をモデル動物としたシナプス小胞の局在制御機構の解析
Project/Area Number |
03J00950
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
坂本 リエ 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シナプス小胞 / スカフォールドタンパク質 / キネシン / UNC-14 |
Research Abstract |
これまでにモデル動物線虫や培養細胞等を用いた解析からスカフォールドタンパク質であるUNC-16とキネシン軽鎖KLC-2、およびUNC-14が三者複合体を形成し、シナプス小胞の局在制御に関与することを明らかにした。また、線虫の変異体を用い、線虫個体内におけるUNC-16、KLC-2とUNC-14の局在を調べることで三者の関係を検討した結果、UNC-14の局在はUNC-16とKLC-2の両方に依存していた。一方、UNC-16の局在はKLC-2に依存するがUNC-14には依存せず、KLC-2の局在はUNC-16にもUNC-14にも依存しなかった。このことから、UNC-16/キネシン複合体がUNC-14の局在を制御しており、UNC-14の正常な局在がシナプス小胞の局在制御に重要であると考えられた。続いて、UNC-16/シネシン/UNC-14複合体がどのようなメカニズムでシナプス小胞の局在を制御しているのか検討するため、UNC-14結合因子として知られているUNC-51について解析を行った。unc-51変異体におけるシナプス小胞マーカー(SNB-1::GFP)の局在を観察したところ、unc-14変異体と同様に局在が異常であった。このことから、UNC-51がUNC-14と結合してシナプス小胞の局在制御に関与すると考えられる。UNC-51は酵母の自食作用に関わるATG1の線虫ホモログである。そこで、線虫において自食作用のような経路がシナプス小胞の局在制御に関与するか検討するため、自食作用関連因子ATG6の線虫ホモログBEC-1の変異体におけるSNB-1::GFPの局在を調べた。その結果、bec-1変異体ではSNB-1::GFPの顕著な局在異常はみられなかった。したがって、UNC-51の自食作用以外での機能がシナプス小胞の局在制御に関与している可能性が示唆される。
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Research Products
(1 results)