2005 Fiscal Year Annual Research Report
線虫をモデル動物としたシナプス小胞の局在制御機構の解析
Project/Area Number |
03J00950
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
坂本 リエ 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シナプス小胞 / キネシン / UNC-14 / スカフォールドタンパク質 |
Research Abstract |
神経機能において神経細胞のシナプスが適切な位置に正しく構築されることは重要であり、これまでにモデル動物である線虫や培養細胞などを用いた研究からシナプスの構成因子や機能について様々な知見が得られている。これまでに、線虫を用いた解析から、DD運動神経においてシナプス小胞の局在制御に関与するUNC-16スカフォールドタンパク質がキネシン軽鎖KLC-2および軸索伸長に関わるUNC-14と複合体を形成することを明らかにした。また、線虫の変異体を用い、線虫個体内におけるUNC-16、KLC-2と、UNC-14の局在を調べることで三者の依存性を検討した結果、UNC-14の局在がUNC-16を介してキネシンにより制御されることが示唆されていた。続いて、UNC-16、KLC-2とUNC-14の局在観察において、UNC-14だけが特徴的な局在パターンを示したことから、その局在部位を調べたところ、ポストシナプスに局在することがわかった。したがって、UNC-14はキネシンによりポストシナプスに運ばれ、シナプス小胞の局在制御に関与することが考えられた。さらに、UNC-14結合因子であるUNC-51もシナプス小胞の局在制御に関与することが見出された。他の生物におけるUNC-51ホモログの機能から、ポストシナプスにおいて、エンドサイトーシス経路がシナプス小胞の局在制御に関与する可能性が考えられる。本研究において、UNC-14とUNC-51が軸索伸長だけでなく、シナプス小胞の局在制御にも関与することが明らかになった。また、UNC-14がUNC-51とともにUNC-16を介してキネシンによりポストシナプスに運ばれて働くことが示唆された。
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