2005 Fiscal Year Annual Research Report
好熱性藍色細菌の生物時計Kaiタンパク質の構造と機能の解析
Project/Area Number |
03J00955
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩瀬 亮 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員PD
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Keywords | 生物時計 / 時計タンパク質 / KaiB / 好熱性藍色細菌 / X線結晶構造解析 / in vivoリズム解析 / 構造変化 |
Research Abstract |
藍色細菌の生物時計遺伝子kaiA、kaiB、kaiCを世界で初めて同定して以来、我々は藍色細菌の生物時計の研究において世界の最先端に位置している。制御タンパク質の一種である時計タンパク質は、藍色細菌由来のものを含めて一般に安定な形で大量調製することが困難なため、時計タンパク質の構造と機能の研究はほとんど手つかずである。我々はX線結晶構造解析により時計タンパク質の立体構造を解明し、時計の分子機構(24時間周期の自律的な発振機構)を原子レベルで明らかにしたいと考えている。 これまでに好熱性藍色細菌由来のKaiBタンパク質の分子構造を解明し、その特異な4量体構造、及び概月リズム発振に重要なサブ構造を見出すことに成功した。さらに、これらが実際に概日リズム発振に重要な役割を担っている事をin vivoリズム解析により確認した。その過程において、分子構造が大きく変化するにも関わらず概日リズム発振機能を維持している変異体を見出す事ができた。我々はこの変異体をリズム発振における特定の段階に固定された変異体ではないかと考え、この変異体の結晶構造解析を試みた。結晶の作製、及びSPring-8におけるX線回折データの収集(解像度2Å)に成功し、現在分子置換法による位相決定に取り組んでいる。またこの変異が時計タンパク質KaiA、KaiCとの相互作用にどのような変化をもたらすかについての解析を進めている段階である。
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Research Products
(1 results)