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2003 Fiscal Year Annual Research Report

説話集を中心とした院政期文学の研究。

Research Project

Project/Area Number 03J01007
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

蔦尾 和宏  早稲田大学, 教育学部, 特別研究員(PD)

Keywords今昔物語集 / 怪異説話
Research Abstract

怪異説話を集成した巻である『今昔物語集』巻二十七を対象に、従来の通説的理解の再検討を行った。具体的には、巻二十七は怪異の出現空間の地理的表記を詳細に行うため、怪異の出現空間の地理的詳細に作品が強いこだわり有していると理解されてきたが、作品内の地理表記の空格の検討を通じ、如上の地理的表記が出典よりの機械的な書承による可能性が強く、作品の地理的関心に基づくものとは言い難いことを証明した。また、作品は怪異の正体追究に強い関心を寄せて説話を語るが、その追究の具体的手法をテキストの表現に即して明らかにした。さらには作品の生命観と関わらせ、本文の校訂の問題を取り上げた。加えて、怪異を扱う巻二十七に、日本史学に言うところの「辟邪の武」-怪異を祓う武器の呪力-が殆んど見えないことが指摘されていたが、これは「辟邪の武」に対する関心を作品が欠如させていたことに由来する現象ではなく、むしろ、所収説話の性格から生じた結果である点を明らかにし、史学が文学資料を扱う場合、それが語られる場や収められる作品の傾向・性格がいっそう考慮されなければならない必要性を強調した。怪異説話は自己の研究の重要な分野なので、『今昔物語集』以外にも視野を広げていく予定である。
併せて『今鏡』の研究にも着手、説話集的側面の強い巻九「昔語」を対象とし、これまで全く論考がなかった編纂の方法(各章の性格規定・説話の配列など)に重点を置いて考察した。今年度の活字化は間に合わなかったが、近く活字化する計画であり、その具体的内容については論文公表後に報告する。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 蔦尾和宏: "怪異説話の手法-『今昔物語集』巻二十七を巡って"国語と国文学. 81巻1号. 30-45 (2004)

URL: 

Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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