2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J01023
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
倉方 俊輔 早稲田大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 伊東忠太 / 明治時代 / 日本建築史 / 東洋建築史 / 建築教育 / 建築論 / アーカイブ / データベース |
Research Abstract |
当初研究計画においては、本研究の目的を、「建築学者・伊東忠太の残した新史料を主たる研究材料とし、隣接諸分野や保存行為との相互作用をとらえながら、日本における建築史の成立過程に一貫した描像を提出すること」と記した。本年度の研究は、この目的に沿った形で行ない、次のような実績を上げた。 1 伊東忠太旧蔵史料の整理-未整理の状態であった東京大学建築学科所蔵の伊東忠太旧蔵史料の整理を、この1年で進め、目録を完成させた。本来の配列を失わない形で、個々の史料に整理番号を付加し、それぞれの名称・作成年・属性等の情報を入力して、今後の研究に資するデータベースを構築した。これと並行して、デジタルカメラによって、主な史料を撮影した。撮影データにも、目録と共通の番号を与え、検索性の高いものとした。 2 明治20年代の日本建築研究に関する研究論文の作成-日本における建築史の成立過程を解明する上で、伊東忠太による初期の日本建築研究の性格に対する検討を欠かすことはできない。そこで、伊東忠太旧蔵史料の中から、これまで分析されていなかった明治20年代の4編の未定稿を取り上げ、関連資料と共に考察を行った。その成果を、「明治中期の未定稿からみた伊東忠太の日本建築研究」にまとめ、査読を経て、『日本建築学会計画系論文集』第574号に掲載された。この論文により、当該期における<建築学>と<建築史学>の密接な関係の一端が具体的に示され、また、日本建築史の通史的叙述の成立に関する新視点が提示されたと考える。 この他、本年度は、日本建築史学の成立に関わる研究や、他史料の収集にも努めた。こうした作業の成果を、来年度以降の研究実績に反映すべく、研究を進めている。
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Research Products
(1 results)