2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J01023
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
倉方 俊輔 早稲田大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 伊東忠太 / 東洋建築 / アジア建築 / 岡倉天心 / 進化論 / 建築思想 / 建築史学 / 建築家 |
Research Abstract |
当初研究計画においては、本研究の目的を、「建築学者・伊東忠太の残した新史料を主たる研究材料とし、隣接諸分野や保存行為との相互作用をとらえながら、日本における建築史の成立過程に一貫した描像を提出すること」と記した。本年度の研究は、この目的に沿った形で行ない、その成果として、3本の査読付論文を公刊し(いずれも「日本建築学会計画系論文集」)、2回の学会発表を行なった(日本建築学会大会および建築史学会大会)。概要は次のようなものである。 1 伊東忠大「建築進化論」の特質の解明-「建築進化の原則より見たる我邦建築の前途」(明治42)を初めとした、いわゆる「建築進化論」に内在する建築理念の独自性を明らかにし、設計活動との関係を解き明かした。「建築進化論」に直接関連した発表言論の精読を通じて、論が主張する理念と、その具体的手法、および現実との関係を考察し、5つの要点に整理した。 2 建築史学史上における伊東忠太の業績の位置づけ-建築史学会大会(4月)の発表では、「建築進化論」の成立過程に目を向けた。伊東忠太旧蔵史料の中から、これまで分析されていなかった草稿を取り上げ、関連史料とともに考察を行った。それによって、西洋の建築史との対抗関係を具体的に示した。日本建築学会大会(8月)の発表では、伊東忠太の「東洋建築研究」がいかに構想され、そこに、どのような企図があったのかに注目し、従来と異なる視角から、伊東忠太の東洋建築史研究の特質を追った。これまで漠然と形成されてきた通念に反して、<アジアのアイデンティティ>を求める姿勢が極めて希薄であることを示し、また、彼の「東洋建築研究」が単なる実証研究ではなく、意識的な企てとして理解されるべきことを論じた。 今後、特に<2>の課題について、対象の範囲をさらに拡げながら、実証的研究を継続する予定である。
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Research Products
(4 results)