2006 Fiscal Year Annual Research Report
室内環境が知的生産性に与える影響の評価手法に関する研究
Project/Area Number |
03J01063
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
西原 直枝 (吉見 直枝) 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 室内環境要素 / 知的生産性 / 疲労 / メンタルワークロード / 脳内酸素代謝 / 作業成績 / 客観的評価手法 / 被験者実験 |
Research Abstract |
作用温度25.5℃、28.5℃、31.5℃の3条件下で被験者実験を行った。客観評価手法として、脳内酸素代謝及び指尖脈波測定を行った。疲労の自覚症状しらべ総訴え率は25.5℃が最も低く、28.5℃、31.5℃の順に高くなる傾向が見られた。訴え率が高い時、指尖脈波の振幅が低下する関係があり、振幅が疲労の客観的評価指標となる可能性が示された。28.5℃において、自覚症状しらべのI群訴え率の増加が大きく、指尖脈波の軌道平行測度の平均値が低かったことから、覚醒度が低下した可能性が示された。メンタルワークロードの主観的指標であるRTLXとタスク時の総ヘモグロビン濃度変化量は正の相関が認められ、メンタルワークロードの客観的指標となる可能性が示された。総ヘモグロビン濃度変化量、RTLXは環境条件間で同程度であったが、31.5℃条件では、作業成績を保つことができず、正答数z-scoreがタスクの回数を追うごとに悪化した。25.5℃条件の正答数z-scoreが28.5℃条件、31.5℃条件よりも有意に高かった。暑い環境下では、作業成績を一定に保つ為に必要なメンタルワークロードが熱的中立状態よりも高い可能性を示した。この他、被験者実験により呼吸深度の変化により脳内血流内のCO_2分圧が変化し、脳内酸素代謝に影響を与える可能性を示した。温熱環境と空気質環境を対象とし、作用温度25.5℃および28.5℃の各々に対して換気量大小条件を組んだ6時間程度の長時間の被験者実験について、疲労、満足度、作業成績の関係を明らかにし評価を行った。また、光環境に関して机上面照度の個人制御の有無による知的生産性評価について解析・考察を行った。これまでの研究成果をまとめ、室内環境質が知的生産性に与える影響の評価手法について考察を行い、作業成績だけでなく、疲労や満足度等の人体反応を併せて評価することの重要性を示した。
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Research Products
(5 results)