2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J01065
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松坂 要佐 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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Keywords | グループ会話 / マルチモーダルシステム / ターンテイク |
Research Abstract |
本研究においては、グループ会話におけるターンテイクの規則の詳細化を行うために、以下のような手段を用いる。1.対話コーパスの収集、2.ターンテイク規則にかかわる仮説の設定と統計的検定、3.ターンテイクのモデル化とモデルパラメータの統計的推定、4.モデルの予測による情報エントロピーの減少量の計数。それら手段を用いて、以下に挙げる事項を明らかにする。観察者の振る舞いがターンテイクの決定に与える影響、ターンテイクが可能となる状況の役割依存性、発話者の視線行動における他者選択のルールの適用箇所。それら事項を明らかにした後、モデルを対話システムの実装に適用し、システムの動作を通してモデルの有用性を確認する。 本年度は、昨年度に引き続き、日米両国において収録したデータと、対話の構造の概観により得られた知見や、既存の心理学的知見を用いて、ターンテイクの規則に関するいくつかの仮説を設定し、その妥当性を評価した。観察者の振る舞いがターンテイクの決定に与える影響、ターンテイクが可能となる状況の役割依存性、発話者の視線行動における他者選択のルールの適用箇所の3点について、いくつかの仮説を設定し、それらの仮説を統計的検定により妥当であるかを明らかにするための実験を行った。画像処理による視線や音韻的特長の検出、大量の学習データを用いた統計的学習による計算機ベースの解析を行うことで、上記仮説を検証するとともに、会話の主導権構造を認識する認識器の構築を行った。 会話の主導権構造の自動認識器は、ターンテイク規則に関する内省的な考察をモデル構造に取り込むことで、人間同士の自然対話において70%程度の認識精度を達成することができた。また、自動認識や機械学習の方法を取り入れた仮説の検証によって、従来の知見より精細で大規模な分析を行うことができた。分析の成果は、社会言語学などの分野の研究者とも共有しさらに深い分析を行うべく準備を進めている。
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Research Products
(2 results)