2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J01085
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
飯山 知保 早稲田大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 金元代 / 華北 / 士人層 / 在地社会 / 女真 / モンゴル |
Research Abstract |
本研究の目的は、従来の中国史研究においてあまりにも知見の空白が多い、金元代華北の社会状況について、その実態を一次史料に基づいて解明することにある。その際、関運史料も多く、社会的にも枢要な地位にあった、いわゆる「士人層」を主要な考察対象として設定し、その通時的な変化をできる限り詳細に検討することを試みた。 今年度はまず「金初華北における科拳と士人層-天眷二年以前を対象として-」を『中国-社会と文化』誌上に発表し、金元代華北士人層を研究する出発点であり、やはり今まで不明であった遼・北宗末から金初にかけての華北士人層の動向を、碑刻史料等から総合的に解明した。その後、本研究における主要史料群となる碑刻史料を取り扱う際、不可欠と言える原碑実見作業を行った。その一端は、2005年5月刊行予定の『大谷大学東洋史学論叢』に調査旅行記の体裁をとって発表される。さらに、かかる本年度上半期での調査結果などに基づき、金代科挙制度の変遷から当時の士人層の全体的な動向を考察した「科挙・学校政策の変遷からみた金代士人層の基礎的動向」を『史学雑誌』に、金代華北社会に移住し、独特なコミュニティを築いていた女真人と科挙制度との関係を論じた「金代漢地在地社会における女真人の位相と「女真儒士」について」を『満族史研究』にそれぞれ投稿した。後者については、掲載が決定済みである。また、昨年8月には中国元史学会で発表の機会を得、その成果は2005年度発行予定の『光史論叢』第10輯に掲載されることが決定している。
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Research Products
(1 results)