2003 Fiscal Year Annual Research Report
ファミリーXに属するDNAポリメラーゼの機能と構造の解析
Project/Area Number |
03J01280
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
島崎 則子 東京理科大学, 理工学研究科応用生物科学専攻, 特別研究員(DC2)
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Keywords | DNAポリメラーゼ / ファミリーX / Polλ / Polβ / Polμ / TdT / PCNA |
Research Abstract |
DNAポリメラーゼスーパーファミリーのうちの一つであるファミリーXにはDNAポリメラーゼλ(Polλ)、Polβ、Polμとターミナルトランスフェラーゼ(TdT)が属している。、私はこれらの酵素が増殖細胞核抗原(PCNA)と直接的結合を介して活性調節を受けるということについて研究を行なった。まずPolλついては、様々なPolλの欠失変異体を作成しPCNAとの結合をフルダウンアッセイにより調べたところ、結合に必要な領域がカルボキシル末端側にあることを決めた。更にその領域を特定するために合成ペプチドを作成してPCNAとの結合を調べたところ、全長575アミノ酸のうち518から537番の20個のアミノ酸が必要であることがわかった。この領域の中でも特に重要なアミノ酸を特定するため、アミノ酸置換を行いその結合性の検討を行なっている。また、細胞内でも両者の結合が起きているのかを確かめるため、培養細胞を用いた解析を行なった。方法としては、Po1λとPCNAを発現している細胞の調製液を用いた免疫沈降法、免疫染色等による細胞内局在の検討を行った。その結果、細胞内でも両者が結合することが見出された。次に、Polλ以外にもファミリーXのポリメラーゼがPCNAと結合しているのかを調べたところ、PolμやTdTも結合があることがわかった。これらのタンパク質においてもカルボキシル末端側の領域がPCNAとの結合に必要であった。PolμとTdTにおいてもアミノ酸置換を行ったところ、PCNAとの結合には芳香環をもつアミノ酸が必要であることから、いわゆるコンセンサスなPCNA結合モチーフを保存していることがわかった。しかしながら、PolλにおけるPCNA結合領域はPolμやTdTのそれと比べると対応する配列は異なっており、PolμとTdTに存在するようなモチーフとは別に、Polλ固有のPCNA結合配列をもっていることがわかった。
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