2004 Fiscal Year Annual Research Report
環状暗視野走査透過電子顕微鏡の画像処理による微小領域の構造決定
Project/Area Number |
03J01290
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
中西 伸登 東京理科大学, 理学研究科物理学専攻, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 界面 / Deconvolution処理 / 走査透過電子顕微鏡 |
Research Abstract |
半導体の微細化,高性能化に伴い,ゲート酸化膜の薄膜化が急激に進んでいる.この膜厚が原子スケールの厚さまで進んでいる近年では,薄膜の構造がどのようになっているかで電気特性が変化するため,その解析が重要となっている.そこで環状暗視野透過走査電子顕微鏡(HAADF STEM)を用いてSiO_2/Si界面を観察した. まず,HAADF STEMと従来の高分解能透過電子顕微鏡(HRTEM)で同じ領域を観察し,その比較を行った.HAADF STEMの実験像は比較的ノイズが多く含まれ,さらに電子顕微鏡のレンズの効果により像がぼけてしまうため厳密な構造解析が困難である.そこで画像処理を用いてノイズ除去及びレンズの劾果を取り除き明瞭な原子像を得た.その像から原子間の間隔を測定したところ,HRTEM像では界面付近で原子間隔が伸びている結果を得たが,HAADF STEMのけっかでは界面付近でもSiの原子間隔の変化は見られなかった. これらの結果の妥当性を検討するため,数値計算を用いたシミュレーション像との比較を行った。その結果,HRTEM像はSi界面付近にSiO_2の非晶質が存在すると,実験条件によりその像が大きく変化することが分かった.一方,HAADF STEMの場合はそのような効果はなく,実験像は原子配列と等価であることが分かった.このことより,今回観察した試料のSiO_2/Si界面には結晶性のSiO_2は存在しないことが明らかになった.
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Research Products
(3 results)