2004 Fiscal Year Annual Research Report
巡礼における創造と実践の相互交渉に関する実証的研究
Project/Area Number |
03J01344
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
中山 和久 国際日本文化研究センター, 研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 巡礼 / 民俗学 / 接待 / 観光 / 文化人類学 / 旅 / 宗教 / 信仰 |
Research Abstract |
本研究では、巡礼の態様を民俗学・文化人類学の手法およびデータベースを中心的に用いて、「質」と「量」の双方から実証的に研究し、巡礼として創造されるシステムと、それを実践する巡礼者との相互交渉(negotiation)の位相を明らかにすることを目的としている。 本年度は、巡礼データベース構築の前提たるデータ項目等を作成するため、1年目に引き続いて(1)質的研究の深化を行い、新たに(2)量的研究の方法論的再検討、の2項目について研究を行った。 (1)では、日本文化における巡礼の研究を文献に依拠して行い、あわせて日本以外の地域における巡礼文化の研究を文献に依拠して行った。 (2)に関しては、(a)データの収集・分類基準を確定するため、人々の巡礼実践を理解する枠組みを体系的に整備した。具体的には、自治体史誌および巡礼体験記を中心に日本における巡礼事例を収集しつつ、世界各地の報告ともあわせて、それらから事例を抽出する作業を行い、研究に値する「巡礼」の概念を再構築した。さらに、(b)検討した概念に基づいて、データの収集・整理を、大学院生2名の研究協力者を得ながら、実際に行い、150件のカード化を終えた。その際、従事者全体で作業・討議を行い、かつ、PC上でデータ処理の試行錯誤を繰り返す中から、作成するデータベースの項目を確定している。
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Research Products
(2 results)