2003 Fiscal Year Annual Research Report
戦間期日本・東アジアの経済制度比較-雑貨製造業と商人ネットワークを中心に-
Project/Area Number |
03J01345
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
四方田 雅史 国際日本文化研究センター, 研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 東アジア / 雑貨製造業 / 経済制度分析 / 取引慣行 / メリヤス製造業 / 花莚製造業 |
Research Abstract |
平成15年度は、東アジアで共通して生産されていた雑貨製品(花莚・メリヤス製品)を中心に、それに関する取引形態・経済制度・市場動向などについて分析を進めてきた。まず、中国や東京・大阪・岡山などで、当時の書籍・史料調査を実施し、特に中国国内の図書館の所蔵・閲覧状況も概観することができた。上記に関する史料・書籍を蒐集することを通じ、研究に使用する情報を充実させ、多角的な視点から分析ができるようになった。そして、その資料・統計類の分析を進めた結果、日本の産地と中国の産地とでは、取引を組織化している制度が対照的であることが分かってきた。現時点では、経済理論の枠組みをも借りることによって、より共通した比較史の基盤に立って、両地域に存する地域的な違いを見通す視角を整えることができつつある。但し、国・地域ごとの違いだけではなく、それぞれの産業・製品の違いも顕著であり、国家を単位とした比較・特徴付けの課題や問題点も窺われた。そのため、年度後半では、それらの産業に共通して見いだされる東アジア域内の違い(たとえば同業者組織や検査制度の違い)に着目して、国内にある論文・史料も蒐集するようにも心がけてきた。 成果については、この研究課題が開始する以前の成果が、平成15年度に社会経済史学会『社会経済史学』に掲載された。この課題に直接関係があるものとしては、経営史学会全国大会において、メリヤス製造業の日中比較に関する報告を行い、さまざまな問題点の指摘を受けた。それをふまえた上で、その論文化・投稿をしている最中である。また、現時点では、花莚製造業の日中比較に関する論文も準備している。
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Research Products
(1 results)