2004 Fiscal Year Annual Research Report
骨芽細胞分化特異的転写因子オステリクスの転写メカニズムの解明
Project/Area Number |
03J01348
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
前田 真吾 財団法人癌研究会, 癌研究所・生化学部, 研究員
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Keywords | 骨芽細胞分化 / Osterix / 軟骨分化 / Runx2 |
Research Abstract |
Osterixは骨芽細胞分化になくてはならない転写因子であり、本研究はOsterixがどのような他の転写因子群と関わりあいながら、未分化間葉系幹細胞(MSC)を骨芽細胞へ分化誘導するのか分子レベルで検討している。今年度は特にOsterixとRunx2の協調作用はあるのか、骨芽細胞分化以外の脂肪・軟骨・筋分化への影響はあるのかについて、詳細な検討を行った。 COS細胞を用いたtransfectionの系と、MSCへのアデノウイルスによる過剰発現系でOsterixとRunx2の結合を検討した結果、結合することがわかった。次にOsterixとRunx2の骨芽細胞分化への協調作用を解析した結果、ALPを代表とする骨芽細胞マーカーの転写を協調的に活性化することが明らかとなった。この強調作用はRunx2と結合できないOsterixの欠失変異体では観察されず、結合依存的と考えられた。次に、他の間葉系分化系(脂肪細胞、軟骨細胞、筋芽細胞)への影響をC2C12、10T1/2、ST-2、MSCなどの細胞にアデノウイルスでOsterix蛋白を発現させて観察したところ、筋分化には影響が無いものの、軟骨分化を強く、脂肪分化を弱く抑制することがわかった。そのメカニズムとしては軟骨分化については、軟骨分化のマスター調節因子であるSox9/5/6の発現を抑えることまではわかったが、その分子メカニズムについては現在解析を進めているところである。そしてOsterixが軟骨分化を抑えながら骨芽細胞分化を促進するという仮説を裏付ける為に、そのshRNAのレンチウイルスを作成して、解析を始めている。
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Research Products
(1 results)