2003 Fiscal Year Annual Research Report
ポリアミン生合成酵素遺伝子の改変による低温耐性及び果実日持ち性の付与
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03J01388
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
北柴 大泰 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 果樹研究所・生理機能部, 特別研究員(PD)
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Keywords | ポリアミン / スペルミン合成酵素 / リンゴ / 低温耐性 / 日持ち性 / ACL5 |
Research Abstract |
本研究はポリアミン生合成酵素遺伝子の制御により、低温耐性や日持ち性を植物に付与し、持続的果樹栽培を可能とする新技術の開発を目的としている。そこで平成15年度はリンゴからポリアミン合成酵素遺伝子の単離とその機能解析を重点に研究を行った。特にこれまで単離されていなかったスペルミン合成酵素遺伝子を対象に行った。 まずリンゴ品種'王林'を材料に花期花芽から作製したcDNAライブラリーを作製し、そのスクリーニングとRACE法からACL5遺伝子(シロイヌナズナ由来のスペルミン合成酵素活性をもつ遺伝子)と類似性の高い二種類のMdSPMS1(Malus sylvenstris var.domestica spermine synthase gene 1)及びMdSPMS2が得られた。MdSPMS1、MdSPMS2の配列の特徴として、基質であるdcSAMが結合する配列が両者のアミノ酸配列に保存され、また両者間でのアミノ酸レベルでの類似性は93.1%であり、ACL5とはMdSPMS1で78.6%、MdSPMS2で73.7%であった。 次に、MdSPMS1 cDNAをプローブにサザン解析を行った。その結果、High stringencyの条件下で検出されたバンドパターンから、'王林'にはMdSPMS遺伝子が2つ存在すると推測され、検出されたバンドはMdSPMS1及びMdSPMS2を示すと考えられた。 続けて同じプローブを用いノーザン解析を行った。その結果、果実の発達段階別では、開花19日後で一番強いシグナルが検出され、その後果実の発達につれて発現は減少し、収穫時の果実ではシグナルは検出されなかった。また、開花期花芽及び若葉でMdSPMS遺伝子の発現が見られたが、成熟葉ではその発現量が微少であったことから、果実で得られた結果も合わせるとMdSPMSは細胞分裂が盛んな時期に働くと推測された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kitashiba, H., Matsuda, N., Ishizaka, T., Nakano, H., Suzuki, T.: "Isolation of two genes similar to DREB1/CBF from the sweet cherry and their analysis by transformation into Arabidopsis."Acta Horticulturae : Environmental Stress and Horticulture Crops.Edited by Tanino, K.K.et al.International Society for Horticultural Science, Leuven.. 618. 39-45 (2003)
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[Publications] Ishizaka, T., Nakano, H., Suzuki, T., Kitashiba, H.: "Characterization of the S-RNase promoters from sweet cherry (Prunus avium L.)"Genes and Genetic Systems. 78. 191-194 (2003)