2004 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー宇宙現象解明のための超広帯域スタックCCDカメラ開発
Project/Area Number |
03J01394
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
佐藤 純子 (平賀 純子) 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・高エネルギー天文学研究系, 特別研究員(PD)
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Keywords | X線CCD / メッシュ実験 / 超新星残骸 / 宇宙線加速 |
Research Abstract |
X線CCDはその焦点面検出器として、現在で活躍している衛星、今後数年内に打ち上げ予定の衛星すべてに搭載され、X線天文分野での標準的な検出器である。観測により得られたデータを解析する上でも、より高エネルギーでの高精度撮像分光を目指した次世代の検出器開発にとっても、X線CCDの複雑な表面構造、空乏層内部での信号電荷の振る舞い、など検出器の物理的特性を理解する事は極めて重要である。 まず、既存のX線天文衛星観測データを用いた超新星残骸研究を行った。RJ1713.7-3941において、明るい西部リム領域に余剰吸収の存在を発見し、これが最近発見された分子雲によるものであること指摘した。また、RX J0852-4622において、高空間分解観測から、非熱的X線放射領域は、北西部では衝撃波面に沿うフィラメント状、南端にはクランプ状と様々な構造を示し、これまでの加速、放射の標準的モデルでは説明し難い現象が明らかにした。これらの結果を国際会議、日本天文学会年会で発表した。 一方、多数の微細孔コリメータを用いてピクセル半導体検出器の信号応答を精密に調べる我々独自の実験手法を、ドイツマックスプランク半導体研究所で開発されたpn-CCDに初めて適用した。様々なエネルギー、異なる設計のデバイスについて、低エネルギーX線の信号電荷の広がりを実測し、X線入射面側の検出効率の高い一様性を実証した。並行して、これまで不可能であった10keV以上の硬X線に対しても適応可能な超微細コリメータの新規開発に着手した。また、X線CCDをコンプトン散乱体として用いた検出器をシミュレーションにより検討した。
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Research Products
(2 results)