2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヘルスモニタリング機能を有する複合材スマートパッチに関する研究
Project/Area Number |
03J01437
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
武田 真一 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 総合技術研究本部・先進複合材評価技術開発センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 複合材料 / 補修 / 光ファイバセンサ / ヘルスモニタリング |
Research Abstract |
近年、経年航空機に対して更なる使用寿命の延長が要求されるようになった。そのため、機体内に多数存在する疲労き裂の効果的な補修技術として、複合材パッチによる疲労き裂の接着補修が考案された。特に、オーストラリアを始めとする海外では既に実機への適用が進められ、多くの研究が行われている。その結果、パッチ自身の剥がれによる補強効果の低下などが問題点として挙げられ、補修部の安全性を確保するという観点から、接着補修構造のヘルスモニタリングの重要性が指摘された。しかしながら、経年航空機という既存の構造へセンサ機能を付け加えることは困難であり、このような観点に立って行われた研究は極めて少ない。そこで本研究では、パッチ自身へセンサ機能を付与したスマートパッチの開発を試みた。 平成15年度は複合材補修部で発生する損傷の詳細な観察を行い、その損傷は被補修材に進展するき裂とパッチ自身の剥がれであることを明らかにした。その結果をふまえ、平成16年度にはスマート化した複合材パッチを補修部に適用した。疲労負荷下において発生するき裂とパッチ自身の剥がれを、光ファイバセンサの一種であるFBGセンサを利用し、センサ信号の変化から二種類の損傷の進展が区別できることを実験的に示した。さらに、複合材補修部の有限要素法解析とセンサ信号の解析を行い、実験から得たセンサ信号の変化の妥当性を確認した。また、センサ信号の変化と損傷の進展度を定量的に評価する手法について提案を行い、学会等の講演発表により成果を報告した。
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