2003 Fiscal Year Annual Research Report
時間分解光断層イメージングシステムを用いた脳内における光プロパティに関する研究
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03J01460
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
島田 美帆 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学研究所, 日本学術振興会特別研究員(PD)
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Keywords | 時間分解反射率 / 散乱体中における光伝導 / 光拡散方程式 / Monte Carloシミュレーション / 脳機能イメージング |
Research Abstract |
時間分解波形を用いた脳内の光プロパティーの解析、おもに脳内の吸収係数の推定方法を確立するために、主にMonte Carlo法や光拡散方程式を用いたシミュレーションを行った。ヒト頭部を一様な媒体であるとみなした従来の解析方法に代わり、時間分解波形から層構造の散乱体の光プロパティーを解析する方法がすでにいくつか報告されているが、本研究では時間軸を変換する新しい解析方法を提案した。この手法によって散乱係数や層の厚さの概数が既知であれば、上層および下層の吸収係数を推定することができる。ヒト頭部の層の厚さや散乱係数はMRIやin vitroの実験などで概数を求めることができる。シンプルなアルゴリズムであるために計算時間が短く、脳機能計測イメージングなど多くの測定点がある場合にも適用できる。 本方の妥当性は、光学特性値の一様なブロックの時間分解反射率を計測することによって確かめた。2層構造のファントム(模擬試料:2層ファントムは共同研究者が作製した)を用いて、ファントム作成時に設定した吸収係数と時間分解反射率から推定した吸収係数を比較したところよく一致し、本手法による吸収係数の推定方法が有用であることを確かめた。また、安静時の人の額からの時間分解反射率を測定し解析したところ、脳外組織(頭皮、骨)より脳組織の吸収が強いことなど、新しい知見を得た。 また、複数の被験者の時間分解波形およびMRI画像を計測し(計測は共同研究者が行った)、逆Monte Carlo法を用いて、各層の光学特性値の推定を試みた。
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