2004 Fiscal Year Annual Research Report
鋤鼻神経細胞株を用いた検定系による哺乳類フェロモン分子の探索
Project/Area Number |
03J01461
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
若林 嘉浩 財団法人医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所・学振PD
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Keywords | フェロモン / 鋤鼻器 / フェロモン受容体 / 嗅覚 / 副嗅球 / Notchシグナリング |
Research Abstract |
本研究の目的は、マウス鋤鼻神経細胞由来の細胞株を確立し、カルシウムイメージングを用いたフェロモン検定系を開発し、この系を用いてフェロモン分子同定を行うことである。鋤鼻器に存在する鋤鼻神経細胞は、一生涯を通して分裂・死滅を繰り返す特徴を持つ。このため、鋤鼻器には、鋤鼻神経細胞の前駆細胞が存在することが知られている。この前駆細胞を分離回収し、この細胞から細胞株を確立するために、妊娠マウスの胎生15日、17日および新生児1日目、10日目および成熟個体の腹腔にBrdUを投与し、BrdU陽性細胞の局在を、免疫組織化学染色を用いて検出した。その結果、胎生期には豊富であった分裂細胞は、生後その数が激減し、成熟個体では非常に少なくなった。そこで、鋤鼻神経細胞の神経投射部位である副嗅球を除去し、鋤鼻神経の再生を賦活化した個体を用いて、同様に分裂細胞の局在を調べたところ、多くの分裂細胞が存在することが明らかとなった。また、これらの分裂細胞が特異的に発現する遺伝子として、Noch1等の膜タンパク質が豊富に発現していることも明らかとなった。これらのタンパク質は、細胞膜を貫通するタンパク質であるため、細胞外ドメインに対する抗体を用いることで、Notch1発現細胞を特異的に分離回収することが可能であると考えられる。回収した鋤鼻神経前駆細胞を培養し、レトロウィルスベクターに導入したlarge T antigenを用いることで、鋤鼻神経細胞株の確立を検討している。
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