2003 Fiscal Year Annual Research Report
強酸性電解水を用いた青果物の殺菌および青果物における食中毒細菌増殖モデルの開発
Project/Area Number |
03J01477
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Research Institution | National Food Research Institute |
Principal Investigator |
小関 成樹 独立行政法人食品総合研究所, 食品工学部・製造工学研究室, 特別研究員(PD)
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Keywords | 強酸性電解水 / 強アルカリ性電解水 / 生食用野菜 / 殺菌 / 病原性細菌 / 食中毒 / 安全性 |
Research Abstract |
本研究は希薄な食塩水を電気分解することによって得られる強酸性電解水の殺菌力と,青果物の微生物増殖過程とに注目して行っている研究である. 本年度はE.coli O157:H7をはじめとする種々の食中毒細菌青果物に接種し,青果物上での食中毒菌に対する強酸性電解水の殺菌効果および殺菌特性について検討した.さらに,強酸性電解水を凍結させた氷(電解水氷)による殺菌特性を明らかにするために,青果物と電解水氷との比率,処理時間,容器内間隙率等の影響を検討した.また,電解水氷の殺菌機構を明らかにするために,種々の特性を変化させた電解水氷を調製して殺菌効果について検討した. その結果,強アルカリ性電解水と温和な加温処理とを併用した前洗浄を野菜に施すことにより,その後の強酸性電解水による殺菌効果を飛躍的に向上させることを見出した.この効果は野菜に付着している腐敗菌だけではなく,実験的に接種した各種の病原菌(E.coli O157:H7,Salmonella等)に対しても同様の効果を示した.また,共焦点レーザー蛍光顕微鏡(CLSM)による観察により,組織の深さ方向への殺菌効果についても若干の知見を得ることができた.これらの結果はFood Microbiologyに投稿し,受理され現在印刷中である. 電解水氷の詳細についてレタスに対して効果を検討した結果,レタスと電解水氷との比率,処理時間等を明らかにすることができた.また,電解水氷の殺菌機構が発生する塩素ガスであり,その有効濃度を明らかにすることができた.これらの結果は現在,Journal of Food Protectionに投稿中である. 以上のように,本年度の研究実施状況は当初の計画通りに順調に進捗しており,来年度以降の更なる研究の進展が期待できる.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shigenobu KOSEKI: "Effect of Mild Heat Pre-treatment with Alkaline Electrolyzed Water on Efficacy of Acidic Electrolyzed Water against Escherichia coli O157:H7 and Salmonella on Lettuce"Food Microbiology. In press.
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[Publications] Shigenobu KOSEKI: "Efficacy of Acidic Electrolyzed Water as a Sanitizer for Microbial Control of Cucumbers and Strawberries"Journal of Food Protection. In press.
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[Publications] Shigenobu KOSEKI: "Influence of Inoculation Method, Spot Inoculation Site and Inoculation Size on the Efficacy of Acidic Electrolyzed Water against Pathogens on Lettuce."Journal of Food Protection. 66・11. 2010-2016 (2003)