2004 Fiscal Year Annual Research Report
高極性キサントフィルの吸収・体内動態と癌細胞増殖抑制作用に関する研究
Project/Area Number |
03J01487
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Research Institution | National Food Research Institute |
Principal Investigator |
浅井 明 独立行政法人食品総合研究所, 食品素材部, 特別研究員(PD)
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Keywords | カロテノイド / ネオキサンチン / 吸収・代謝 / 細胞増殖抑制 / アポトーシス / クロセチン / クロシン |
Research Abstract |
緑葉野菜に含まれる高極性キサントフィルの消化管内変換を、ホウレンソウを用いてin vitoroの消化モデル系で解析した結果、代表的な高極性キサントフィルであるネオキサンチンはネオクローム(R/S体の混合物)に、ビオラキサンチンはルテオキサンチン(R/S)とアウロキサンチン(RR/RS/SS)にそれぞれ変換された。このことから、高極性キサントフィル中の5,6-エポキシドが、胃酸によって5,8-エポキシド(フラノイド)に変換される(エポキシド-フラノイド変換)ことが示唆された。エポキシド-フラノイド変換の程度は胃消化モデルのpHに影響され、低pH時ほど変換が進行した。また。ネオキサンチンを経口投与したマウスの小腸内容物、血漿および肝臓からネオキサンチンとともにネオクロームが検出され、in vivoにおいてもエポキシド-フラノイド変換が起こり、その代謝物が体内に吸収されることが示された。 ネオキサンチンとネオクロームはいずれも20μM以下の濃度でヒト前立腺癌細胞PC-3に対して増殖抑制作用を示した。このときネオキサンチンはPC-3細胞にアポトーシスを誘導したが、ネオクロームでは顕著なアポトーシス誘導は認められず細胞周期停止による増殖抑制作用が示された。 ネオキサンチンと、褐藻類に含まれるフコキサンチンについて、PC-3細胞に対する増殖抑制作用を詳細に検討し、そのメカニズムが、アポトーシス誘導によるものであることを明確にした。また、フコキサンチンの代謝物であるフコキサンチノールもPC-3細胞にアポトーシスを誘導することを明らかにした。 クチナシ色素に含まれるアポカロテノイド配糖体クロシンとそのアグリコンであるクロセチンについて経口摂取時の吸収代謝をマウスを用いて解析した。
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Research Products
(2 results)