2004 Fiscal Year Annual Research Report
アルタイ山脈および富士山の山岳永久凍土帯での斜面変動
Project/Area Number |
03J01492
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
福井 幸太郎 国立極地研究所, 研究教育系, 特別研究員(PD)
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Keywords | 地球温暖化 / 山岳永久凍土 / 岩石氷河 / ロシア・アルタイ山脈 / AKKOL谷 / 年平均気温 / 活動層 / 南チュイスキー山地 |
Research Abstract |
1.目的 ロシア・アルタイ山脈では過去30年間に温暖化が顕著に進行している.本研究ではロシア・アルタイ山脈に分布する岩石氷河周辺で温暖化に応じてどのような地形変化が生じているのか明らかにすることを目的とする.平成16年度は2004年8月5日〜25日の期間,国立アルタイ大学のミハイロフ教授らと共同でロシア・アルタイ山脈南チュイスキー山地中央部Akkol谷(標高2200〜3700m)で現地調査を行った.観測項目は岩石氷河の流動の測量,昨年設置した気温及び地温観測用データロガーのデータの回収である. 2.結果 2003年8月に5つの岩石氷河上合計50ヶ所に測量基点を設置した.このうち4つの岩石氷河で最大傾斜方向に10-20cmの流動が認められた.したがって,Akkol谷の岩石氷河は現在でも活動しているactiveな岩石氷河であることが分かった.谷壁斜面の4地点に設置した気温計のうち3地点で,通年の気温データを回収出来た.年平均気温は-3〜-4℃であり,このことからAkkol谷が気温的には不連続永久凍土帯に属することが分かった.また,岩石氷河上14ヶ所に設置した地表面温度観測用データロガー,1ヶ所に設置した地中温度(深度0,0.5,1.0,1.5,2m)観測用データロガーは全て正常に作動していた.年平均地表面温度は-3〜-5.5℃であり,データロガーを設置した岩石氷河内部に永久凍土が存在することは間違いないことが分かった.地中温度の観測結果から永久凍土の夏季融解層(活動層)の厚さは3m以上あることが推定された. 3.研究成果 2005年9月にスペインで開催予定の国際地形学連合と2005年12月にアメリカで開催予定のアメリカ地球物理学連合で発表する予定であり,Permafrost and Periglacial Processes誌に投稿準備中.
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Research Products
(1 results)