2005 Fiscal Year Annual Research Report
有機金属イオンビーム成長法による炭化ケイ素ナノ結晶の自己組織化成長機構の解明
Project/Area Number |
03J01530
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
松本 貴士 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境化学技術研究部門, 特別研究員(PD)
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Keywords | 有機金属 / イオンビーム / 炭化ケイ素 / ナノ結晶 / ヘテロエピタキシャル成長 / 自己組織化 |
Research Abstract |
有機金属イオンビーム成長法は、有機ケイ素化合物のジメチルシラン(SiH_2(CH_3)_2)のプラズマから生成される有機金属イオンのメチルシリセニウムイオン(SiCH_3^+)を前駆体として炭化ケイ素(SiC)の結晶成長を行う手法である。SiCH_3^+イオンは分子構造中にSi-C結合とSiCの化学量論組成を有しており、シリコン基板上への良質なSiC薄膜のヘテロエピタキシャル成長、従来手法よりも低温でのSiC結晶成長が可能である。また本手法を用いることによりSiCナノ結晶を自己組織化成長させることが出来る。有機金属イオンビームと固体表面の反応過程の解明は、SiCナノ結晶成長を制御する上で重要な課題であるが、現在のところSiCナノ結晶成長機構についての議論は十分には出来ていない。 本研究課題の目的は、有機金属イオンビーム成長法によりSiC薄膜を作製し、SiCナノ結晶の自己組織化成長機構についての新たな知見を得ることにある。本年度では、単色的かつエネルギーの揺らぎの小さい有機金属イオンビームを用い、自己組織化成長するSiCナノ結晶の成長過程について議論した。自己組織化成長するSiCナノ結晶は、熱平衡反応により成長するSiC結晶とは異なり、イオンビームの照射による損傷を緩和するように原子密度の小さい面が優先的に配向することが分かった。また、SiCナノ結晶が自己組織化成長する際に電子線を照射することでSiCナノ結晶の成長を制御出来得ることを新たに発見した。
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Research Products
(6 results)