2004 Fiscal Year Annual Research Report
金属を担持させたチューブ状炭素材料の創製と微細構造解析
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03J01560
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
橋本 綾子 (木村 綾子) 独立行政法人産業技術総合研究所, 新炭素系材料開発研究センター
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Keywords | カーボンナノチューブ / 透過型電子顕微鏡 / 欠陥構造 / ナノテクノロジー / in-situ観察 |
Research Abstract |
本年度は、カーボンナノチューブやナノホーン(カーボンナノチューブの一種)などのチューブ状炭素材料に金属クラスター,分子を充填または堆積させるとともに、チューブ状炭素の微細構造を電子顕微鏡により詳細に観察、解析した。 チューブ状炭素とは、sp^2結合からなるグラファイト層を筒状に丸めたものである。しかし、そのグラファイト層には欠陥がしばしば見られる。他の一般的材料と同様、これらの欠陥構造はチューブ状炭素材料の性質、特に電気特性に影響を与えることが予想され、興味がもたれている。しかしながら、ナノスケールの材料中に存在する原子レベルの欠陥を実験的に調べることは非常に難しく、研究は理論的なものが中心であった。本研究では、透過型電子顕微鏡(TEM)を使って、チューブ状炭素材料中に電子線照射によって生じた欠陥構造を観察した。グラファイト層1枚を捉えるだけのコントラストを得るために、最適な観察条件を摸索した。その結果、チューブ状炭素材料中に生じた原子空孔、アダトム、5-7員環対などを顕微鏡像として捉えることに成功した。また、in-situ観察により、その生成過程も捉えることができた。さらに、グラファイト層間の相互作用についても、TEM観察から知見を得ることができた。これらは、理論的な研究結果とも、整合性がある結果であった。 金属原子、炭素分子を充填したチューブ状炭素材料に関する解析も、現在、進行中である。
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Research Products
(3 results)