2004 Fiscal Year Annual Research Report
スーパーキャパシタ用非晶質マンガン酸化物電極のソノケミカル合成と特性評価
Project/Area Number |
03J01605
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
川岡 広和 独立行政法人産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 日本学術振興会特別研究員(PD)
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Keywords | ハイブリッド自動車 / 高出力 / リチウムイオン電池 / マンガン / ソノケミカル合成 / アセチレンブラック / ケッチェンブラック / ナノ複合体 |
Research Abstract |
近年、電気自動車やハイブリッド自動車等に用いられる高出力電源の性能向上が求めれられている。昨年度までに高出力Liイオン電池用の電極材料として、非晶質マンガン酸化物を導電助剤であるアセチレンブラックやケッチェンブラック表面にコーティングしたナノ複合体をソノケミカル合成した。ケッチェンブラックとの複合体では10,50A g^<-1>という非常に大きな電流密度下でも放電容量の大きな低下は見られず、155,127mAh g^<-1>の初回放電容量を示した。最大1300m^3 g^<-1>と非常に大きな比表面積を有する炭素を用いることで、電気化学に対する有効体積が拡大して高速な充放電でも充分にリチウムとの反応が行われたためであると考えられる。本年度はこれらの複合体が、特にケッチェンブラックとの複合体がどのような微細構造を有しているかについて詳細に研究を行った。 アセチレンブラックとの複合体では非晶質のマンガン酸化物がアセチレンブラックの表面に数ナノメートルの厚みでコーティジグされていることがTEMとEDSにより明確に確認された。一方、ケッチェンブラックとの複合体では、EDS分析によりケッチェンブラックの表面にマンガン酸化物が存在することが示唆されるが、TEM観察では明確なマンガン酸化物相は確認できなかうた。ケッチェンブラックは中空構造を有しておりその中にマンガン酸化物が存在する可能性もあったが、合成前後のBET比表面積により見積もった細孔体積の変化よりこれについては否定された。ケッチェンブラックの表面がアセチレンブラックと比較して起伏が非常に激しく、マンガン酸化物はその凹部分に少量堆積したような構造であるものと結論づけられる。このようにTEMによっても観察が難しいほどに薄くコーティングされていることが上述の既存の電池材料を凌駕するような高い高出力特性を導いたものと思われる。
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Research Products
(2 results)