2003 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍マーカー抗体ディスプレイナノマグネットビーズを用いた全自動ガン診断装置の構築
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03J01637
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
岡村 好子 独立行政法人産業技術総合研究所, ティッシュエンジニアリング研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 腫瘍マーカー / 抗体ディスプレイ / 磁性細菌 / 組み換え磁性細菌粒子 / ガン診断 / 自動化 |
Research Abstract |
バイオミネラリゼーションによって作られた鉱物は、遺伝子によって精巧に制御されているため、大きさ・形状が均一で、特に大きさについては、人工鉱物で作ることが困難なナノサイズの粒子である。加えて、これらのバイオミネラルは、形成過程に関与するファクターが粒子に結合しているため、このファクターとディスプレイしたいマテリアルの遺伝子を融合すれば、組み換え粒子を生物体内で合成させることができる。磁性細菌の体内で生合成される磁石に関する生成メカニズムは、他の生物のバイオミネラリゼーションに比べ、研究が進んでおり、生成に関与する遺伝子の分離に成功している。さらに磁性粒子である点から磁気分離を用いることで、自動化されたハイスループットスクリーニング法を開発することが可能となる。この技術を応用して、抗原-抗体間の相互作用に注目し、最近のガン診断に用いられるようになった腫瘍マーカーを検出するチップを構築する事が目的である。 本研究報告では、抗体ディスプレイプロテインチップ作製用カセットベクターの構築および挿入配列(Fab)領域のシークエンス決定について成果を示す。 1)抗体ディスプレイ用カセットベクターの作製 ベクターには、磁性細菌の内在プラスミドpMGTに由来する複製開始起点を含むシャトルベクターを使用した。ここに、磁気微粒子膜特異的に発現するmms16遺伝子及びそのプロモーターを挿入し、Mms16タンパク質がアンカーになるようにC末端側に目的の増幅断片を挿入した。この際、mms16の終止コドンは除き、StuIサイトを介してFab断片のコドンを挿入するようにデザインした。 2)挿入用エピトープFab配列の決定 Fab領域中の可変領域部分をゴンビナントリアルケミストリーの手法でランダムなアミノ酸配列を持つように構築されたファージディスプレイライブラリー中より、腫瘍マーカーの一つCEAと結合能を持つクローンを5つ拾い、そのFab領域のDNA配列を解読した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Okamura, et al.: "Design and Application of a New Cryptic-Plasmid-Based Shuttle Vector for Magnetospirillum magneticum"Appl.Environ.Microbiol.. 69. 4274-4277 (2003)
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[Publications] T.Yoshino, M.Takahashi, H.Takeyama, Y.Okamura, F.Kato, T.Matsunaga: "Assembly of G Protein-Coupled Receptors onto Nano-Sized Bacterial Magnetic Particles Using Mms16 as an Anchor Molecule."Appl.Environ.Microbiol.. (In press). (2004)