2004 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍マーカー抗体ディスプレイナノマグネットビーズを用いた全自動ガン診断装置の構築
Project/Area Number |
03J01637
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岡村 好子 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | ナノマグネットビーズ / 腫瘍マーカー / 抗体ディスプレイ / 全自動測定 |
Research Abstract |
磁性細菌が体内で合成するナノサイズの磁気粒子は人工で作ることが困難であり、加えて、形成過程に関与するファクターが粒子に結合しているため、このファクターとディスプレイしたいマテリアルの遺伝子を融合すれば、組み換え粒子を生物体内で合成させることができる。さらに磁性粒子である点から磁気分離を用いることで、自動化されたハイスループットスクリーニング法を開発することが可能となる。この技術を応用して、抗原-抗体間の相互作用に注目し、最近のガン診断に用いられるようになった腫瘍マーカーを検出するチップを構築する事が本研究の目的である。今年度は、腫瘍マーカー抗体ディスプレイのためのベクター構築およびこれによる組み換え磁性細菌の作製を行った。その結果、抗体ライブラリーの中からスクリーニングされた腫瘍マーカーの一つCEAと結合能を持つクローンから増幅された抗原認識部位(Fab配列)を、磁性細菌の内在プラスミドpMGTに由来する複製開始起点を含むシャトルベクターに、磁気微粒子膜特異的に発現するmms16遺伝子及びそのプロモーターを挿入し、Mms16タンパク質がN末端側、Fab配列がC末端側になるように遺伝子を融合し、腫瘍マーカー抗体ディスプレイのためのベクターを作製した。これを磁性細菌Magnetospirillum magneticum AMB-1にエレクトロポレーション法により導入し、組み換え磁性細菌を作製した。従来法によって培養され、抽出されたナノマグネットビーズに対し、抗CEAモノクロナール抗体を用いたサンドイッチイムノアッセイ法により評価した結果、作製された組み換えナノマグネットビーズはMms16タンパク質をアンカーとして結合能を保った形でCEA認識Fab領域をディスプレイしていることが示された。さらに、マグネットを装着した自動分抽装置を用いて、この組み換えナノマグネットビーズと抗CEAモノクロナール抗体とサンドイッチイムノアッセイを行った結果、有意に抗原を識別できることが示された。
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Research Products
(3 results)