2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J01656
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田端 宏充 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 追跡眼球運動 / 予測 / 運動準備 |
Research Abstract |
研究代表者らは、静止している視標を突然揺らすことによって引き起こされる滑らかな眼球運動は、直後に視標が動き出し追跡眼球運動を行わねばならないという状況をくりかえした方が、視標は動かず固視を続けなければならないという状況をくりかえす場合より、大きなものであるということをサルとヒトで発見している。この発見に基づき、視標のゆれによって引き起こされる滑らかな眼球運動の大きさから追跡眼球運動を開始するためのゲイン(眼球速度/視標速度)を推定するという方法論を提案してきた。今年度はこの方法論を用い、追跡眼球運動の準備のためのゲイン調整の時間的な性質に着目した研究を推進し以下のような成果を得た。 (1)まず、固視を続けなければならない状況から、追跡眼球運動ばかりを行わねばならない状況に実験条件が変化したときに生じるゲイン上昇は、わずか数トライアルのうちに生じることをサルとヒトで定量的に示した。つまり、サルやヒト等の高等生物では、運動を行う必要のない環境から運動を行わなければならない環境へ変化したときに、即座に追従するような柔軟な運動準備機構が存在する。 (2)次に固視を行わなければならない試行、追従眼球運動をおこなわなければならない試行が時々刻々変化する場合、一回前の試行が固視だった場合、ゲインは減少し、一回前の試行が追跡眼球運動だった場合にはゲインが上昇するという時々刻々のゲイン調整が行われていることをヒトで見出した。
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Research Products
(2 results)