2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳由来神経栄養因子(BDNF)の1塩基多型(SNP)の分子神経生物学
Project/Area Number |
03J01669
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
小清水 久嗣 独立行政法人産業技術総合研究所, セルエンジニアリング部門, 日本学術振興会特別研究員(PD)
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Keywords | BDNF / SNPs / 神経栄養因子 / 神経細胞死 / アルツハイマー氏病 |
Research Abstract |
脳由来神経栄養因子,BDNFは脳に豊富に存在する成長因子であり、神経細胞の生存維持をはじめ多くの生理活性を発揮するが、分子メカニズムと神経細胞機能の関係はまだ十分に理解されていない。これまでに我々は、ヒトBDNF遺伝子の1塩基多型であるSNP-BDNFバリアント(R125M/R127L-BDNF)が、プロテアーゼによる切断を受けず、前駆体proBDNFのまま生成・放出されることを見いだした。同バリアントは、まだその機能が解明されていないproBDNFの解析のツールとなる。リコンビナントproBDNF(R125M/R127L-BDNF)、抗proBDNF(R125M/R127L-BDNF)抗体を作製、精製し、proBDNF特異的ELISAシステムを構築した。培養ラット海馬神経細胞からのproBDNFのリリースを定量的に測定した。培養ラット中隔野コリン作動性ニューロンに対する、proBDNF(R125M/R127L-BDNF)の影響を評価した。proBDNF(R125M/R127L-BDNF)添加により、コリン作動性ニューロンの神経突起の縮退が観察された。現在、海馬神経細胞のシナプスの構造や機能に対するproBDNF(R125M/R127L-BDNF)の影響を評価、解析中である。さらに、個体レベルの影響を解析するため共同研究により、proBDNF(Rl25M/R127L-BDNF)ノックインマウスを作製中である。
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