2003 Fiscal Year Annual Research Report
細胞骨格、接着を制御するRhoキナーゼの構造生物学的研究
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03J01685
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
三島 綾子 (前崎 綾子) 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | Rhoキナーゼ / 低分子量G蛋白質 / Rhoファミリー / 標的蛋白質 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
低分子量G蛋白質RhoAの標的蛋白質であるRhoキナーゼについて、Auto inhibitionのメカニズムを解明する為、Rhoキナーゼのキナーゼドメインに結合する領域についてのスクリーニングを行った。この結果、RhoキナーゼのN末端領域に存在するキナーゼドメインとC末端領域に存在するPH様モチーフが相互作用していることを確認した。さらに、Rhoキナーゼの中間領域に位置するコイルドコイルドメインとこれに続くRhoA結合領域もキナーゼドメインと相互作用していることを確認した。これらの相互作用の可能性について、複合体の構造解析から解明することを目的として、キナーゼドメイン、コイルドコイル/RhoA結合ドメイン、さらにPH様モチーフの3種類についてそれぞれ単独での精製を行い、複合体としての結晶化条件のスクリーニングを行っている。 さらに、低分子量G蛋白質Rhoファミリーの他の蛋白質であるCdc42やRacの標的蛋白質であるIQGAP1とこれと相互作用するCLIP-170におけるシグナル伝達の様式を解明する為、IQGAP1のC末端領域とCLIP-170のN末領域に存在するCAP-Glyドメインとの複合体構造解析に向けて、これらの結合領域について最適なドメインの検討を行い、数種類のコンストラクトについて精製及び結合実験を行った。これらの精製蛋白質を用いて結合実験及び複合体での結晶化のスクリーニングを行った。複合体での構造解析に先駆けて、IQGAP1のC末端領域、及びCLIP-170のCAP-Glyドメイン単独での結晶化を行い、結晶化に成功している。CLIP-170のCAP-Glyドメインについては、1.5Åという高分解能での構造解析を終了した。IQGAPのC末ドメインについては、現在回折実験を行っている。 この他、2003年7月にアメリカ合衆国で行われた蛋白質学会に参加し、情報収集を行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Toshiyuki Shimizu et al.: "Parallel Coiled-coil Association of the RhoA-binding Domain in Rho-kinase"The Journal of Biological Chemistry. 278・46. 46046-46051 (2003)
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[Publications] Toshio Hakoshima et al.: "Structural Basis of the Rho GTPase Signaling"The Journal of Biolchemistry. 134. 327-331 (2003)