2005 Fiscal Year Annual Research Report
アラビドプシスにおけるメチル化DNAに関連したクロマチン再編成のモデル作成
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03J01692
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 美佳子 千葉大学, 園芸学部, 日本学術振興会特別研究員(PD)
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Keywords | 染色体 / クロマチン / DNAメチル化 |
Research Abstract |
染色体を構成するクロマチンは、通常ユークロマチンとヘテロクロマチンに大別されるが、ヘテロクロマチン領域は遺伝子発現が抑えられているため、DNAがメチル化しており、ヒストンは脱アセチル化している。そして、近年、DNAのメチル化とヒストンのアセチル化以外にヒストンのメチル化も、染色体構造によって変化することが発表された。しかし。それらの相互関係は明らかになっておらず、転写制御に最も重要な因子が何であるかは分かっていない。 昨年度、一昨年度において、植物のDNAメチル化結合タンパク質を新規に発見し、論文発表した。そのタンパク質と複合体を形成するタンパク質の同定は困難を要したため、今年度は視点を変えて、クロマチン構造の変化から、DNAのメチル化の機構について、追求した。その結果、抗メチル化抗体を用いた間接傾向抗体法ではトウモロコシ染色体に特異的に見られるヘテロクロマチン領域において、低メチル化状態であることが分かった。さらに、ヒストンのアセチル化を調べると、脱アセチル化しており、ヒストンH3及びH4のmono-,-di-,tri-メチル化状態についても調査した。それらの結果、このヘテロクロマチン領域は実際に遺伝子発現は起こっていないがDNA修飾は転写活性型である脱メチル化状態にある。ヒストン修飾においては転写抑制型を示していることから、このクロマチン領域においてはDNA修飾ではなく、ヒストン修飾により転写制御を担っていることが示唆された。 遺伝子発現とクロマチン構造の関連性については、さまざまな研究者が実験結果をもとに議論しているが、DNAのメチル化修飾が直接的に発現に関わっているというより、ヒストンの修飾と補い合って遺伝子制御を行っていると言えるだろう。
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Research Products
(2 results)