2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J01713
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
鈴木 孝幸 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 指の個性 / Tbx / Shh / BMP / 指間部 / 肢芽の発生 |
Research Abstract |
申請した年次計画に基づき1年目に予定した全ての計画を実行し、論文をDevelopmental Cellに発表した。 1.第3/4指の個性の決定メカニズムの解析 Tbx2をニワトリ胚後肢芽に強制発現させると第3指が第4指に形質転換し後側化した。一方Tbx3を強制発現させると第2指が第3指に形質転換し後側化した。そこでTbx2/Tbx3の変異体を作製し、強制発現させたところ、第4/3指がそれぞれ前側化した。このことからTbx2/Tbx3はそれぞれ第4/3指の個性を決定するために必要十分であることが明らかとなった。 2.Tbx2/Tbx3の下流因子の探索 野生型および変異型のTbx2/Tbx3を強制発現させ、前後軸に関わるマーカー遺伝子の発現変化を検討した。その結果、Tbx2/Tbx3はShh/BMP2の発現を誘導した。このことからTbx2/Tbx3はShh/BMPのシグナルを正に調節し肢芽の後側の個性を特徴付けることが明らかとなった。 また自脚領域におけるHoxD遺伝子群の発現変化を観察したところ、Tbx2/Tbx3はそれぞれHoxD13/HoxD12の発現を正に調節することが分かった。 3.レチノイン酸、BMPに対するTbx2/Tbx3遺伝子の応答能の違いの解析 レチノイン酸のビーズを肢芽の前側に移植し、新たに過剰指を形成させた時のTbx2/Tbx3の発現パターンを解析した。その結果Tbx2/Tbx3遺伝子はそれぞれ第4/3指が形成される時に発現が誘導されたことから後側の指のマーカー遺伝子として使用できることが明らかとなった。またBMPのビーズ移植の結果からBMPに対する応答能もTbx3の方がTbx2より高いことが判明し、これが肢芽の後側で特徴的にTbx2/Tbx3が発現する仕組みであることが明らかとなった。 現在2年目の予定である前側の指の個性を決定する遺伝子の探索を行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Suzuki T. et al.: "Tbx genes specify posterior digit identity through Shh and BMP signaling."Developmental Cell. 16. 43-53 (2004)
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[Publications] Takeuchi J.K. et al.: "Tbx5 and Tbx4 trigger limb initiation through activation of the Wnt/Fgf signaling cascade."Development. 130. 2729-2739 (2003)