2003 Fiscal Year Annual Research Report
CUC遺伝子によるSAM形成および器官分離の制御機構の解析
Project/Area Number |
03J01716
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
桧原 健一郎 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | シロイヌナズナ / 茎頂分裂組織 / 胚発生 / NAC遺伝子 |
Research Abstract |
高等植物は茎の先端にある茎頂分裂組織(SAM)から地上部の器官(葉、花、茎)を作り出す。植物の形態形成においてSAMは重要な役割を果たしており、その形成機構の解明は植物の発生や形態形成を理解する上で重要なテーマである。我々の研究室では、SAMの形成過程に関与するCUC1、CUC2遺伝子を単離している。これらの遺伝子は互いに相同性の高いタンパク質をコードしていた。cuc1 cuc2二重変異体ではSAMは形成されず、また2枚の子葉が融合して1つのカップ型の子葉を形成する。また、CUC1あるいはCUC2遺伝子を過剰発現させた形質転換体では芽生えの子葉において、異所的なSAMが形成された。 本研究は1.変異原処理によるSAMの欠失やカップ型子葉を示す変異体の単離および原因遺伝子の同定、2.cDNAマイクロアレイを用いたCUC遺伝子によって促進もしくは抑制される遺伝子の網羅的解析という2つの手法を用い、CUC遺伝子を介して行われるSAM形成の分子メカニズムの解明を目的とする。 1.CUCを介したSAM形成に関与する遺伝子の単離と同定 (1)cuc2単独変異体の種子5000粒をEMS処理し、それらの種子から得られた次世代の個体の形態を観察し、カップ型の子葉になるものやSAMが欠失する変異体が観察される14ラインを選抜した。 (2)これらの原因遺伝子としてCUC3、CTE1、GNOM遺伝子をマッピングによって単離した。 (3)各遺伝子の機能を調べるともにCUC遺伝子との関係について遺伝学的解析を行った。 2.CUC1によって促進もしくは抑制される遺伝子の網羅的解析 (1)35S::CUC1の子葉からRNAを回収し、cDNAマイクロアレイ法を行った。 (2)発現が上昇あるいは減少しているクローンに関してはRT-PCRを用いて、得られた結果の検証を行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ken-ichiro Hibara: "CUC1 gene activates the expression of SAM-related gene to induce adventitious shoot formation"The Plant Journal. 36. 687-696 (2003)
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[Publications] 桧原 健一郎: "茎頂分裂組織構築から見た葉の発生"Plant Morphology. 15・1. 18-29 (2003)