2003 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナの胚における体軸やパターン形成にかかわる遺伝子の解析
Project/Area Number |
03J01717
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
古谷 将彦 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | シロイヌナズナ / 胚発生 / オーキシン |
Research Abstract |
1、オーキシンもしくはオーキシン極性輸送阻害剤の投与が胚のパターン形成に与える影響:分子生物学的手法に適したシロイヌナズナの胚にオーキシンおよびオーキシン極性輸送阻害剤を投与し、セイヨウカラシナでみられたような子葉の融合が観察された。さらに、子葉の分離に関わるCUP-SHAPED COTYLEDON(CUC)遺伝子の変異体に対する投与実験の結果より、CUCがオーキシンによって制御されることを示した。これまでの実験結果と今回得られた結果を論文にまとめ、投稿中である。 2、内生オーキシンレベルを部位特異的に上昇させる実験:前段階として、胚発生期におけるオーキシン合成部位を詳細に理解する必要がある。そこで我々は、これまでに知られているオーキシン合成酵素遺伝子の発現解析を、網羅的に行った。その結果、現在知られているオーキシンの蓄積部位そして輸送経路に則した、非常に妥当な位置に発現していることが分かった。また、オーキシン関連変異体でこれらの遺伝子の発現解析を行った結果、自身の合成酵素に対するオーキシンのフィードバック機構の存在を示唆する結果を得ることができた。これらの結果をまとめ、現在投稿準備中である。また、どの合成酵素をどの時期にどこに誘導しオーキシンレベルを上昇させるか検討中である。 3、体軸の確立もしくはパターン形成に重要な働きを示す遺伝子の単離:胚発生初期に獲得する線対称性に関わる因子を単離することを目的とした。線対称性を示すCUC遺伝子をマーカーとして用い、その発現が乱れる変異体の単離そして原因遺伝子の同定を行った。その結果、5遺伝子座得ることができ、そのうち2遺伝子座について同定することができた。1つは既知のPIN1遺伝子、もう1つは、代謝に関与する新規の遺伝子であった。今後、これらの変異体の解析を進めると同時に、残りの遺伝子座について同定を試みる予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Furutani, M., Aida, M., Tasaka, M.: "Pattern Formation during Dicotyledonous Plant Embryogenesis."Morphogenesis and Pattern Formation in Biological Systems (eds.T.Sekimura, S.Noji and P.K.Maini) Springer-Verlag Tokyo. 139-152 (2003)