2003 Fiscal Year Annual Research Report
シャーロット・ブロンテ作品研究-19世紀ガヴァネス小説群との比較を中心に-
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03J01759
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
成田 美鈴 (松岡 美鈴) 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | シャーロット・ブロンテ / ガヴァネス小説 / ガヴァネス / 国際情報交換 / イギリス:アメリカ / 19世紀イギリス小説 / 女性教育 |
Research Abstract |
本年度は、これまで英国で収集した19世紀前半期ガヴァネス小説群の研究をさらに続け、それにより明らかになるコンヴェンションとCharlotte Bronte作品との類似点、相違点についての研究を論文と研究発表にまとめた。本年度の補助金は、イギリスの大英図書館等において19世紀ガヴァネス小説の文献収集を行うための外国旅費、国内での学会発表・参加の旅費、ガヴァネスとBronte関連の文献の購入費などに主に当てられた。 1.Bronte作品と同年代のガヴァネス小説との比較に関する論文は『英語学英米文学論集』第29号に掲載された。この論文では、Bronteと同年代に活躍したElizabeth Missing Sewellの作品を特に取り上げ、(1)ガヴァネス問題に対する姿勢におけるBronteとSewellとの違いを検討し、また(2)ガヴァネスと深く関わっていた当時の女性問題をどのように両者が作品中で取り扱っているか詳しく比較した。なお、この研究を遂行するにあたり、補助金を用いてイギリスの大英図書館等でSewell関連の文献を収集し、Bronte関連の図書を多数購入した。 2.19世紀におけるガヴァネス小説群の全体像をとらえる研究に関しては、本年度中に入手困難なガヴァネス小説に関する文献をさらに数多く収集し、このジャンルの起源と言われている18世紀中旬から19世紀初頭までに子どものために書かれたガヴァネス文学の歴史を調査、「ガヴァネスと児童文学」という研究発表にまとめた。また、19世紀後半期におけるガヴァネス小説の流れの中で大きな転換期を示すことになった同ジャンルのパロディ作品群についての論文を現在投稿中である。これらの研究を遂行するにあたり、補助金を用いてイギリスの大英図書館等でガヴァネス小説の文献を収集し、その後、文献表を作成するソフトウェア、それを記録するハードディスク、ガヴァネス関連の図書などを購入した。
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Research Products
(1 results)