2005 Fiscal Year Annual Research Report
シャーロット・ブロンテ作品研究-19世紀ガヴァネス小説群との比較を中心に-
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03J01759
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
成田 美鈴 (松岡 美鈴) 奈良女子大学, 人間文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | シャーロット・ブロンテ / ガヴァネス小説 / ガヴァネス / 19世紀イギリス小説 / イギリス:アメリカ / 女性教育 |
Research Abstract |
本年度は、これまでの19世紀前半期から後半期へと研究対象とする年代範囲を広げ、同世紀におけるガヴァネス小説群に共通する特徴、それらとCharlotte Bronte作品との類似点、相違点にいての研究を論文と研究発表にまとめた。本年度の補助金は、イギリスの大英図書館とアメリカのミネソタ大学図書館において19世紀後半期ガヴァネス小説の文献収集を行うための外国旅費、国内での学会参加の旅費、ガヴァネス小説Bronte関連の文献の購入費などに主に当てられた。 1.Bronte作品と19世紀前半期のガヴァネス小説との比較に関する論文を『英語学英米文学論集』に投稿し受理された。この論文では、Bronte作品Jane Eyre(1847)と同年代に出版されたガヴァネス小説群を特に取り上げ、最初に当時のガヴァネス小説群が共通して描く典型的なガヴァネス像を調査し、そうした理想化されたガヴァネス像と比較して、Bronte作品が描いたガヴァネス像が当時いかに革新的であったかを詳しく検討した。これらの研究を遂行するため、補助金を用いてガヴァネス小説の文献を収集、文献を記録・保存するPC関連機器やガヴァネス小説関連の図書などを購入した。 2.19世紀におけるガヴァネス小説群の全体像をとらえる研究に関しては、本年度中に入手困難な特に19世紀後半期ガヴァネス小説に関する文献をさらに数多く収集し、その成果を「19世紀ガヴァネス小説におけるガヴァネス像の系譜」として研究発表し、その内容を報告書にまとめた。ここでは、19世紀を通してのガヴァネス小説の歴史の全体像をまとめ、ガヴァネス文学におけるBronte作品の位置づけを詳しく考察した。上記の研究を遂行するにあたり、補助金を用いて海外の図書館でガヴァネス小説およびBronte関連の文献を収集し、またBronte関連の図書を多数購入した。
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Research Products
(2 results)