2004 Fiscal Year Annual Research Report
シャーロット・ブロンテ作品研究-19世紀ガヴァネス小説群との比較を中心に-
Project/Area Number |
03J01759
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
成田 美鈴 (松岡 美鈴) 奈良女子大学, 人間文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | シャーロット・ブロンテ / ガヴァネス小説 / ガヴァネス / 19世紀イギリス小説 / イギリス:アメリカ / 女性教育 |
Research Abstract |
本年度も19世紀ガヴァネス小説群とCharlotte Bronte作品との類似点、相違点について研究を続けた。まずはガヴァネス小説の起源とみられている児童文学について研究報告をまとめた。また19世紀後半期における同ジャンルのパロディ作品に関する研究を論文にまとめた。こうした研究を進めるため、本年度の補助金は、Bronteとガヴァネス関連の文献収集を行うための諸経費、ガヴァネスとBronte関連の文献の購入費、収集したデータを記録・保存する機器・メディアの購入などに主に当てられた。 1.19世紀ガヴァネス小説群の全体像をとらえる研究に関し、入手困難なガヴァネス小説を収集した。特に本年度は、貴重な19世紀後半におけるガヴァネス小説を数多く収集し、中でも、これまでほとんど詳しく紹介されることのなかったBronte作品の模倣作品とそれに類する新たな作品を収集することができ、非常に有益であった。また、昨年度に口頭発表した「ガヴァネスと児童文学」の内容を学会誌に発表した。これらの研究を遂行するため、補助金を用いてガヴァネス小説の文献を収集、文献を記録・保存するPC関連機器やガヴァネス関連の図書などを購入した。 2.また、19世紀後半期におけるガヴァネス小説のパロディ作品群についての論文を学会誌に掲載した。この論文では、Bronte作品とは別の形でパロディ作品がいかに同ジャンルに影響を与えたかを検討し、(1)ガヴァネスという職業に対する見方が現実社会において19世紀後半にどのように変化したのか、また、(2)現実社会でのガヴァネスに対する見方の変化がガヴァネス小説のガヴァネス描写にどのように反映されたのか、といった問題を考察した。なお、この研究を遂行するにあたり、補助金を用いてガヴァネス、Bronte関連の文献を収集し、また、国内において両者に関連する図書を多数購入した。
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Research Products
(2 results)