2003 Fiscal Year Annual Research Report
高次元結合発振器系にみられるバースト振動の分岐解析
Project/Area Number |
03J01800
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
辻 繁樹 徳島大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | バースト / 分岐現象 / カオス / FitzHugh-Nagumoモデル / 同期現象 |
Research Abstract |
今年度では,2次元自律系ニューロンモデルであるFitzHugh-Nagumoモデルを基本振動子とし,このモデルにみられる分岐現象の解析を行い,分岐集合を完全に求めた.この情報を基に,こちらが所望するバーストタイプが発生するように制御が比較的容易である正弦波をモデルへのパラメータ摂動として印可し,モデル自身が持つ静止状態と発火状態間を強制遷移させることにより簡素なバースト発振モデルを構築した.また,正弦波の周波数,振幅の変化によるバースト・モードの変化を周期解の分岐集合を求め,バースト放電中のスパイク本数が分岐現象により1つずつ増減する現象が見られることを明らかにし,それら波形が観測されるパラメータ領域を完全に求めた.さらに,各周期解が周期倍分岐連鎖によりカオス解へと進展することを示した.これら結果から,提案したモデルは簡素なバースト発振モデルではあるが,外部入力の変化に対して多様な応答を示すことから,電気回路系への実装,または,結合系への拡張に対して有用なモデルであることを示した. 次に,自律的に幾つかのタイプのバースト発火を示す簡素な3次元自律系ニューロンモデルを構築し,分岐現象の解析を行い,分岐現象を介して様々なバースト・モードが発生することを明らかにした。さらに,結合系ニューロンモデルにおけるバースト発火の同期現象の解析を行うための基礎的研究として,新たに構築した簡素なニューロンモデルを電気的に結合した系の分岐解析を行い,その結合系にみられる同期・非同期現象について解析を行い,単体モデルの興奮性の違いにより結合系がもつ分岐集合が大きく異なり,結合系として発現される応答の種類に差がでることを示した.また,実際に電気回路に実装している簡素な発振器の結合系についても解析を行い,同相同期,逆相同期,非同期現象がみられるパラメータ領域を明らかにした.来年度では,より詳細な結合系の解析を行う予定である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Tsuji: "A design method of bursting using 2-prameter bifurcation diagrams in FitzHugh-Nagumo model"International Journal of Bifurcation and Chaos. Vol.14 No.7(印刷中). (2004)
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[Publications] S.Tsuji: "Bifurcations in modified BVP neurons coupled by gap-junctions"Proceeding of NCSP04. (CD-ROM収録). (2004)