2003 Fiscal Year Annual Research Report
DNAコンジュゲートによる多機能集積型遺伝子医薬の開発
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03J01862
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
久保 貴紀 近畿大学, 大学院・産業技術研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | DNAコンジュゲート / 遺伝子医薬 / アンチセンスDNA / シグナルペプチド |
Research Abstract |
特定の遺伝子をターゲットとして遺伝子レベルで病気の治療を行う遺伝子医薬は、現在治療法のない難病の治療に適用できる優れた治療法として多くの研究者が注目している。本研究では、機能性ペプチド、糖鎖、ホルモン、酵素などあらゆる生体内機能性分子を1つのオリゴヌクレオチドに集積した"多機能集積型遺伝子医薬"の構築およびその生化学的特性を評価し、これを遺伝子医薬として応用することを目的としている。 コンジュゲートDNAは、本研究で開発した固相フラグメント縮合洗(SPFC)を用い合成し、簡便かつ高収率で目的のコンジュゲートDNAの合成に成功している。合成したコンジュゲートDNAは、アンチセンス配列をもつオリゴヌクレオチドと核局在化シグナル(NLS)や核外移行シグナル(NES)などのシグナルペプチドや人工デザインした両親媒性ペプチドなどを結合させている。合成したコンジュゲートDNAの生化学的特性を評価した結果、相補鎖DNAおよびRNAとの親和性の向上、ヌクレアーゼ耐性の向上などが観察された。シグナルペプチドをコンジュゲートすることにより、核や細胞質への細胞内局在化をコントロールすることが可能となった。さらに、コンジュゲートDNAのアンチセンス活性をヒトテロメラーゼを阻害することにより評価したところ、コンジュゲートDNAは従来のアンチセンスDNAよりも数十倍から数百倍高いアンチセンス活性を示した。 これらの結果は、これまでの遺伝子医薬では解決が困難であった問題点を、コンジュゲートDNAを用いることにより解決することができ、より高い次元の遺伝子医薬を構築できることを示唆している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takanori Kubo et al.: "Synthesis of DNA Peptide Conjugate by Solid Phase Fragment Condensation"Organic Letter. 5. 2623-2626 (2003)
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[Publications] Takanori Kubo et al.: "DNA Conjugates as Novel Functional Oligonucleotides"Nucleosides, Nucleotides and Nucleic Acids. 22. 1359-1361 (2003)
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[Publications] Takanori Kubo et al.: "Properties of Conjugate DNA Enzymes"Nucleosides, Nucleotides and Nucleic Acids. 22. 1491-1493 (2003)