2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J01924
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
飯嶋 良味 国立精神・神経センター, 精神保健研究所・老人精神保健部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 総合失調症 / 遺伝子 / 関連解析 / SNP / Neuropeptyde / Chromogranin |
Research Abstract |
【緒言】Chromogranin B遺伝子(CHGB)は,統合失調症の発症脆弱性に関わる遺伝子座位を探索する目的で行った,マイクロサテライトマーカーによるスクリーニング解析において,有意な差の見られた第20番染色体上のマーカーの,最も近傍に位置する遺伝子である。また,統合失調症患者脳脊髄液中で有意に減少しているとの報告や,抗精神病薬に反応して,脳内におけるmRNAの発現増加や発現の局在変化が観察されるなど,精神疾患病態に関与する機能的候補遺伝子としても,重要な役割を担っていると考えられる。本年度はCHGBの変異検索を行い,見つかった変異について,日本人一般集団中での頻度,統合失調症との関連を検討した。【方法】対象は,文書と口頭で本研究の目的および意義についての説明を行い,書面での同意の得られた統合失調症患者230名と,健常対照者220名である。方法は,これら対象者から採取した血液よりDNAを抽出し,CHGBの翻訳領域および調節領域についてPCR-Direct Sequence法にて変異を検索した。見つかった変異について関連解析を行った。なお,本研究は国立精神・神経センター国府台地区の倫理委員会の承認を得て行っている。【結果】CHGBの変異検索を行ったところ,合計22個の多型を見いだした。そのうち,Exon4内にはアミノ酸置換を伴う多型が9個存在した。これら多型と統合失調症との関連を検討した結果,Exon4内の3つの多型1058G/C(A353G),1104G/A(E368E),1250G/A(R417H),において,アリル頻度,遺伝子型頻度共に症例対照間で有意な差が見られた。CHGBは統合失調症の病態生理や発症脆弱性に何らかの影響を及ぼす重要な遺伝子であると考えられる。今後は双極性障害や覚醒剤精神病についても,CHGBの影響について検討していく。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yoshimi Iijima: "An association study of bipolar disorder with Chromogranin B gene."Psychiatry and Clinical Neurosciences. (in press). (2003)
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[Publications] Yoshimi Iijima: "Association between chromogranin B gene polymorphisms and schizophrenia in the Japanese population."Biological Psychiatry. (in press). (2004)