2005 Fiscal Year Annual Research Report
記憶の脳内メカニズムの解明とその応用-手続き記憶を中心として-
Project/Area Number |
03J01927
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
望月 寛子 昭和大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 黒質-線条体系 / 縁上回 / 学習の正の転移 / 系列学習 / fMRI / SPM2 / 環境の変化 / 再学習 |
Research Abstract |
学習の正の転移に関わる脳活動について:fMRI研究 <はじめに>私たちの認知機能は事前に経験してきた事柄を活用して環境の変化に適応する柔軟性を備えている。学習の場面では、一定の系列(順番)に従ってできるだけ早くボタンを押すことを学習した後に系列を変えて再度ボタン押しを学習するような状況が考えられる。再学習において前回よりも効率的にボタン押し学習がなされた場合は先行する経験が後の学習にプラスの効果を及ぼしたといえる。このような現象は"学習の正の転移"と呼ばれ、学習心理学の中では長い間研究されてきたが、その神経基盤は未だに明らかになっていない。そこで本研究では系列学習課題を用いて学習の正の転移に関連して賦活する脳部位を明らかにすることを目的とした。 <方法>被験者:右利き健常大学生13名。課題:実験条件として1から4の数字をランダムに10個並べた系列(ex,2142132321)を3種類と、統制条件用の系列(1234123412)を用意した。10個の数字は1つずつ100ms(ISI:200ms)提示され、被験者は提示後に数字に対応したボタンをできるだけ早く、正確に押すよう教示された。各条件を18試行行って1ランとし、本実験では全部で9ラン行った。実験条件に用いた系列は3ランごとに異なるものを用いた。撮像と解析:課題遂行中の脳活動をBlock-designed fMRIを用いて計測し、解析にはSPM2を使用した。 <結果>ボタン押しに要した時間と正確性は第1〜6ランに比べて第7〜9ランで有意に向上した。賦活データでは右側の黒質と縁上回において、実験条件においてのみ第1〜6ランに比べて第7〜9ランで有意に賦活していることが示された。 <考察>学習の正の転移が生じている条件においては黒質-線条体系と頭頂葉領域(縁上回)が重要な役割を果たしていることが考えられる。
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