2003 Fiscal Year Annual Research Report
性フェロモンの情報処理機構-ガ類近縁種における種特異性とその遺伝的背景
Project/Area Number |
03J01954
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
高梨 琢磨 農業生物資源研究所, 生体機能研究グループ・昆虫神経研究チーム, 特別研究員(PD)
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Keywords | 嗅覚受容 / 味覚受容 / 電気生理学 / 性フェロモン / 寄生植物 / 種特異性 |
Research Abstract |
<鱗翅目昆虫の性フェロモン受容> アワノメイガ近縁2種、アワノメイガとアズキノメイガにおけるメス性フェロモン成分に対するオスの嗅覚受容ニューロンの応答性を調べた。アワノメイガは性フェロモン主成分2つに同等に応答するニューロンが多くあることがわかっているが、アズキノメイガでは主成分と副成分それぞれに特異的に応答するニューロンがあることが明らかになった。アワノメイガにおいて嗅覚受容ニューロンの形態を調べた。 <双翅目昆虫の寄主植物成分受容> キイロショウジョウバエとその近縁種、セイシェルショウジョウバエとオナジショウジョウバエの複数系統を入手し、人工培地による大量飼育を確立した。そして微小昆虫であるショウジョウバエを対象とした嗅覚と味覚受容の細胞外電位記録の実験系を確立させた。味覚受容の系ではセイシェルショウジョウバエで未知だった糖、塩、苦味刺激に対するふ節と唇弁感覚毛の応答が確認された。セイシェルショウジョウバエは寄主植物の匂い成分であるカプロン酸に誘引されることが行動実験よりわかっているが、この酸をふ節の味覚感覚器で受容していることが電気生理学的手法によりわかった。また、この酸はキイロショウジョウバエとオナジシショウジョウバエでは忌避性を持つこともわかっており、キイロショウジョウバエにおいてもふ節の味覚感覚器が酸に対して応答することが明らかになった。この酸を味覚受容している細胞と周辺の細胞の形態を蛍光顕微鏡により観察した結果、前脚、中脚、後脚ふ節において第5、4節各々2箇所正中線を対照にあるらしいことがキイロショウジョウバエでわかった。
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