2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J02031
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
武内 総子 神戸大学, 自然科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 神経内分泌小胞 / アスコルビン酸 / stopped-flow / rapid-scan法 / 電子伝達 |
Research Abstract |
cytochrome b_<561>(以下b_<561>)は副腎髄質クロマフィン小胞に存在する分子量約28,000の膜貫通型電子輸送タンパク質である。b561は細胞質中のアスコルビン酸(AsA)から受け取った電子を小胞内のモノデヒドロアスコルビン酸ラジカルに伝達している。本研究ではAsAに由来しb561分子により遂行される神経内分泌小胞に特異的な膜貫通電子伝達反応のより詳細な機構を明らかにするため、種々の生化学的、タンパク質化学的、分子分光学的な解析方法を用いた総合的な解析を行った。 高純度に精製したb_<561>を酸化状態においてシステイン(Cys)残基に特異的な酸化試薬4,4'-dithiodipirydine(4-PDS)により処理するとb_<561>1分子当たりほぼ1個の4-thiopyridone基がCys57あるいはCys125部位に導入されることがわかった。この2つのCys残基は我々の構造モデルの上では、小胞内側ヘムのすぐ下部に位置すると推定されている。4-PDS処理を受けた酸化型cytochrome b_<561>へのAsAからの電子伝達反応をAsA還元アッセイとstopped-flow rapid-scan法により調べた。4-PDS修飾したb_<561>は未処理のb_<561>と同様にAsAですばやく還元されたが、最終還元レベルは〜65%にまで減少した。以前行った我々のstopped-flow解析によって、AsA添加後の酸化型ヘムの還元過程はAsAから細胞質側ヘムへの電子伝達反応であることがわかっている。4-PDS処理したb_<561>のAsAによる初期還元過程を偽一次反応に近似して解析したところ、見かけの反応速度定数は未処理のb_<561>の場合とほとんど同じであることが明らかとなった。すなわち、4-PDS処理はAsAからの電子伝達反応にはほとんど影響しないことがわかった。
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Research Products
(1 results)