2005 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線位相差顕微鏡の開発による多層膜表面・界面の高分解能分析
Project/Area Number |
03J02033
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
浜本 和宏 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 軟X線位相差顕微鏡 / EUVリソグラフィー / 欠陥検査 / 位相欠陥 / ミラウ干渉計 |
Research Abstract |
2009年に導入予定の次世代半導体製造技術である極端紫外線リソグラフィー(EUVL)技術の課題のひとつに,マスクレチクルの無欠陥化がある.そのため,多層膜が形成されたマスク上の欠陥像を露光光と同一のEUV光で,直接観察し,サブナノメートル(0.03nm)の微細な表面・界面の3次元像の形成を目的として,軟X線位相差顕微鏡の開発を進めてきた. 本装置は開口数0.3,倍率30倍のSchwarzschild光学系と,像の拡大検出をおこなうX線ズーミング管からなり,マスク表面の像を直接観察することができる. 開発した装置を用いて,EUVL用実マスクの吸収体回路パタンの観察を進め,SEMやAFM等では評価できない,EUV光特有の欠陥を評価することができた.検出分解能は50nmである. また,EUVL用マスク特有の欠陥である,ガラス基板上の凹凸等が起因する位相欠陥についてもその観察に成功した.観察した位相欠陥は,ガラス基板上に高さ5nm,幅90nmのパタンを疑似的に形成し,その上にMo/Si多層膜を成膜したものである.従来の欠陥による散乱の計測では,多層膜に凹凸がなければ検出できないが,本装置を用いた場合,多層膜内部のひずみによる欠陥の像を観察しているため,多層膜表面上の形状によらない欠陥の検出が可能であり,パタン露光と同じ条件でマスク表面を観察しているため,これらの欠陥が転写欠陥となるかどうかの評価をすすめることができる.
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Research Products
(4 results)