2003 Fiscal Year Annual Research Report
細胞核におけるイノシトールリン脂質情報伝達系の制御機構と生理的意義の解明
Project/Area Number |
03J02037
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 雅司 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イノシトールリン脂質 / PLCS_1 / 核・細胞質間輸送 / インポーチン / カルシウム |
Research Abstract |
1.PLCδ1の核-細胞質間輸送機構の解明 上皮増殖因子(EGF)刺激およびイオノマイシン処理におけるPLCδ1の核局在を細胞分画法により調べた。細胞核分画を抗PLCδ1抗体を用いてウエスタンブロッティング法により解析するとEGF刺激、イオノマイシン処理に関わらず核分画にCos7細胞の内在性PLCδ1は検出されなかった。またGFP-PLCδ1を用いた蛍光顕微鏡観察をGFP-PLCδ1を安定的に発現させたMDCK細胞を用いて行った。MDCK細胞ではGFP-PLCδ1は細胞膜と細胞質に局在するが、イオノマイシン処理を施すと細胞膜から遊離して細胞質に局在したが、核への蛍光の集積は見られなかった。 2.PLCδ1新規結合タンパク質の同定 GST-PLCδ1 1-140(PHドメインをコードする)に結合するタンパクをNRK細胞の細胞質画分および核画分から探索した。核画分からは候補タンパクは見いだせながったが、細胞質画分からはezrin,moesinおよびintegrinα6が候補タンパクとして見いだされた。また、HeLa細胞の内在性PLCδ1を免疫沈降法にて核マトリクス構成タンパクの一つであるNuMAが候補として見いだされた。しかし、NuMAにおいて再現は見られなかった。 3.PLCδ1とインポーチン、CRM1との結合の解析 インポーチンαファミリーであるヒトRch1,Qip1,NPI1,マウスRch1およびインポーチンβをGST発現ベクターに組み込み、精製PLCδ1および種々細胞の内在性PLCδ1との結合解析を行った。精製PLCδ1ではRch1およびインポーチンβとカルシウム濃度が高い(100μM電離カルシウム濃度)溶液中で結合が見られた。また、細胞中の内在性PLCδ1は電離カルシウム濃度が100μMの緩衝液で細胞を破砕し結合反応させたときのみ、マウスインポーチンβとのみ結合が見られた。
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Research Products
(1 results)