2003 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア・オセアニア島嶼地域における生業・経済形態の歴史的変遷と実態の解明
Project/Area Number |
03J02042
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
小野 林太郎 国立民族学博物館, 民俗社会研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | マレーシア・サバ州 / センポルナ / 実地調査 / バジャウ / 資源利用 / 経済形態 / 文献調査 / データの整理・管理 |
Research Abstract |
本年度の研究実績としてまず挙げられるのはマレーシア・サバ州における実地調査の実施がある。これは2003年度6月に実施されたマレーシアでの事前調査と11月より3月に渡って実施された実地調査に分けられる。事前調査においては調査地訪問の他にマレーシアでの現地調査に必要となるカウンターパートの選択と交渉および中央政府への申請届けを行った。その結果として10月にマレーシア中央政府より申請許可が降り、11月より本格的な実地調査を開始した。 この調査はボルネオ島サバ州東岸に位置するセンポルナで実施された。またその内容はこの地域に住むバジャウ系住民の資源利用及び経済形態に焦点を当てた生態人類学的調査である。実際にはセンポルナ海域に点在する島々に形成されているバジャウ系住人の村落群から主に3つの村落を歴史的背景、周囲の生態環境、総世帯数、主要生業活動等の差異を考慮して選択し、数週間から一ヶ月に渡って住み込み調査を実施した。この住み込み調査では村内における全世帯を対象とし、各世帯内における家旅構成、主要生業活動、経済状況(収入と支出)、資源利用と密接に関わる道具・技術に関する情報および食生活に関する詳細なデータを収集した。その結果、この実地調査では約250世帯からデータを収集でき、主要生業活動および経済状況は各村落の立地条件や歴史背景によってかなりの相違があることが確認されている。 この他の実績としては国立歴史民俗学博物館および国立民族学博物館において主に歴史・民族学的資料を中心とする文献資料の収集がある。また実地調査および文献調査によって得られたデータは本年度購入されたコンピューターを使用して整理・管理されている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 小野 林太郎: "Prehistoric Austroneisan Fishing Strategies : A tentative comparison on Island Southeast Asian case and Lapita Cultural Complex."Pacific Archaeology : assessments and prospects. Proceedings of the International Conference for the 50th anniversary of the first Lapita excavation. Kone-Noumea 2002. Les Cahiers de l'Archeologie en Nouvelle-Caledonie. Vol.15. 191-201 (2003)
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[Publications] 小野 林太郎: "Prehistorical fishing at Bukit Tengkorak rock shelter, east coast of Borneo Island."New Zealand Journal of Archaeglogy. 24(未定). (2004)