2004 Fiscal Year Annual Research Report
共役多価不飽和脂肪酸、特に共役リノレン酸の機能性に関する研究
Project/Area Number |
03J02052
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 里加子 金沢医科大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | ザクロ種子油 / 共役リノレン酸 / 共役リノール酸 / 大腸発がん / PPARγ / azoxymethane |
Research Abstract |
我々は先に共役リノレン酸(CLN)の1つであるα-エレオステアリン酸を豊富に含むニガウリ種子油による大腸発がん抑制を報告し(Int.J.Cancer,110:896-901,2004)、CLNによる大腸発がん修飾効果を示唆した。そこでCLNの1つであるプニカ酸(cis(c)9,trans(t)11,c13-18:3)を多く含有するザクロ種子油(PGO)による大腸発がん修飾効果について検討した。また、発がん抑制作用が報告されている共役リノール酸(CLA)の効果との比較も行った。さらに作用機構解明のため、分子生物学的な解析も試みた。 5週齢の雄性F344ラットをAOM(20mg/kg体重を週1回、計2回、皮下注射)群、AOM+PGO群(0.01%,0.1%,1%)、AOM+1%CLA群、1%PGO群、1%CLA群、無処置群の8群に分けた。PGOあるいはCLAはAOM投与の1週前より実験終了時(32週)まで混餌投与した。実験終了後、病理組織学的解析および大腸粘膜と肝臓の脂肪酸組成分析、大腸粘膜のperoxisome proliferators-activated receptors(PPAR)γの発現について検討を行った。その結果、大腸腺がんの発生頻度はAOM+PGO群(0.01%,0.1%)で、発生個数はAOM+PGO群(0.01%,0.1%,1%)でAOM群と比べ有意(P<0.05)な低下を認めた。AOM+1%CLA群は発生の頻度、個数とも減少していたものの有意な差ではなかった。またPGO投与群の大腸粘膜ならびに肝臓脂質中にCLAの蓄積がみられたこと、大腸粘膜においてPPARγの発現増加が確認されたことから、これらがPGOによる大腸発がん抑制の作用機構に関わることが示唆された。
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Research Products
(13 results)