2003 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本社会における「ホームレス問題」への社会的対応の実証的研究
Project/Area Number |
03J02062
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
北川 由紀彦 東洋大学, 社会学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 都市下層 / 野宿者 / 社会福祉 / 権力 / 社会運動 |
Research Abstract |
本年度は、東京都内の野宿者(いわゆる「ホームレス」)に対する行政および民間団体の対応の全体像の把握に努めた。具体的には、まず、都内で野宿者(いわゆる「ホームレス」)の支援活動を行っている団体(複数)の活動への参与を通じた観察および聞取りによって、その活動の形態、内容、理念、目的などについて把握・整理を行った。また、併せて、野宿している人々への聞取りを行い、かれらにとって民間団体および行政の支援活動/支援施策がどのようなものとして認知されているのか、またそれらをどのようなものとして評価しているのかなどを把握・整理した。また、行政(東京都・区)が野宿者に対する施策として実施している「自立支援システム」に関して、その事業実績等のデータの分析を通じ、施策の利用者が野宿者全体の中でどのような位置にある層なのか、その一端を明らかにした。 また、2003年末に東京都があらたな「ホームレス対策」の計画を公表したが、この事態に関して、その新計画を各民間団体がどのように評価しているのか、また各民間団体が新計画に対する態度を決定する過程において相互にどのような交渉・議論を行っているのかを把握することにも努めた。 研究成果の一部については、「都市社会といわゆるホームレス問題」(『シリーズ日本の都市社会第3巻都市の生活・文化・意識』所収、文化書房博文社)として近日公表予定である。
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