2004 Fiscal Year Annual Research Report
放射化学的手法による断層活動に伴う電磁気現象のメカニズム解明
Project/Area Number |
03J02077
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
竹内 昭洋 新潟大学, 理学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 地震電磁気現象 / 岩石破壊 / 電荷 / 欠陥 / 熱ルミネッセンス / 放射化学 / 国際研究者交流 / アメリカ合衆国 |
Research Abstract |
1.特別研究員奨励費で購入したフルイを用いて摩砕した石英粒子を分級し、熱ルミネッセンス強度の粒径依存性を調べた結果、粒径の小さなサンプルほど発光強度の小さいことが確認された。この事から、石英粒子表面付近の熱ルミネッセンス中心が電子との再結合または結晶構造の破壊を起こしていると考えられる。熱ルミネッセンス中心と再結合した電子の一部は摩砕面に表面電荷として現れると考えられる。断層運動の際に破砕面でも同様な電荷の発生が予想される。この電荷が地震に伴う諸電磁気現象の原因になっていると考えられる。 これら研究成果を、国際学術雑誌に一報発表した。 2.地震発生の際に断層帯で亀裂表面に発生する電荷を元に、それら電荷がつくる地震電磁場を理論的に導いた。パルス状の電磁場ではあるが、乾燥した地殻であれば十分に遠方まで伝播する。 これら研究成果を、国際学術雑誌に一報発表した。 3.サンノゼ州立大学・メリーランド大学カレッジパークおよびアメリカ航空宇宙局ゴダード宇宙航空研究所にて数種類の岩石サンプルを部分的に一軸圧縮した結果、岩石の圧縮部分からその周りの非圧縮部分への正電荷の流れが確認できた。この電荷の正体は、圧縮によって切断されたポジティブ・ホール・ペア欠陥から放出された正孔であると考えられる。地震発生前に断層が活発化する際にも、この正孔が断層帯から放出されていると予想される。この正孔が地震に先行した諸電磁気現象の原因になっていると考えられる。 これら研究成果を、二度の国際学会において発表し、国際学術雑誌に一報発表した。 4.三軸圧縮下で花崗岩サンプルを固着滑りさせたところ、高速サンプリング・データによりスリップの途中から理論式に比べて急速なスリップの減速が確認された。スリップ中に発生した溶融物質が原因であると考えられる。 これら研究成果を、国際学術雑誌に一報発表した。
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Research Products
(4 results)